北京　曇りのち晴れ、9～16℃

　今日は清明節三連休の初日。早朝の北京は曇っていましたが、午前中のうちに晴れてきました。

　「長野県北京放送を聞く会」から1996年に寄贈され、翌年から毎年、CRIの春を飾る桜。今日は開花から10日目です。花は散り始め、若葉が伸び続けていますが、遠くからだとまだピンク色の雲の風景が見えます。

　今朝、桜園に入ると悲しいシーンを目にしました。去年から枯れ始め、今年もとうとう花が咲かず、芽も出なかった木を、3人の作業員たちがツルハシやシャベルで掘り出す作業をしていたのです。一番外側にあり、幹のほうは相当太くなっていたのに…。

　「この太さだと、もう20年ぐらい経つかな。もったいないね」

　作業員たちは掘りながらぶつぶつ言っていました。「けど、もう根っこまで枯れてしまったよ」とまだ深く土の中に埋まったままの根っこをたたいて、音を聞かせてくれました。

　この木のほか、もう一本生々しい切り口が残された木もありました。4本ある枝のうち、太い1本が枯れてしまったのです。

　どれも心が痛む光景です。

　小野小町は「花の色は うつりにけりな いたづらに」と詠みましたが、世の生き物にはすべて寿命がある、この残酷な法則を改めてかみ締めた今朝の桜園でした。（文・写真：王小燕）