壊れた義肢
過ぎ去った愛は人を感傷的にさせる。ウェディングドレスのためのアイロンにしろ、嫉妬に駆られて割ったバックミラーにしろ、昔の恋人と関係のある物は辛い記憶を思い起こさせるものだ。しかし時に人はそういった物を捨てるのにしのびない気持ちになる。
クロアチアでは、失恋した人がこうした悩みから解放されるようになった。同地では世界初の「失恋」をテーマとする博物館が設立されて人気をよんでいる。
失恋の記憶
失恋の心の傷をまとった物には普通の物もあれば、独特、面白いものもあり、中には奇妙な物も存在する。
展示品はテーマ別にそれぞれの部屋に陳列されている。それぞれの品にはその恋の持続期間や発生地、寄贈者による説明が付けられている。
展示品の一つの小さな義肢は、戦争で障害を負った軍人とソーシャルワーカーとの愛の目撃者だ。添えられた説明にはこう書かれている。「この義肢の命は我々の愛情よりも長い。より強固な材料で作られているためだ。」
他にも元ガールフレンドが家具の修理に使った斧や、ニューヨーク産の赤いウィッグ、サラエボ産のゲートルなどがある。寄贈者は「私はこれを使わなかった。もし使っていたなら、私たちの愛はもっと続いていたかもしれない」と悲しいコメントを寄せている。
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