寅年については面白い言い伝えがある。大昔、十二支にはトラはなく獅子があった。獅子は残酷すぎて評判が悪かったため、十二支を司る玉皇大帝は獅子を除名したいと考えたが、山林に住む動物を代わりに補う必要があった。この時、玉帝は宮殿前のトラの衛兵を思い出した。
天の宮の虎衛士はそれまで地上の平凡な動物だった。猫の師匠から捕まえる、咬む、突進する、跳ねるといった18種類の武芸を学んだ後に山林の勇士になった。トラと力比べをしたものは、死ぬかケガを負った。それ以来トラは山林の覇者となった。後に玉帝がトラの勇猛さを聞き、天に来るよう命令し、天に来たトラは玉帝の衛兵と力比べをして勝った。こうしてトラは天の宮の宮殿前の衛兵となった。
ところがすぐに、誰も支配するものがいなくなった地上の獣たちが無法を働き始め、人間に災いをもたらし始めた。これに驚いた土地の神が天に訴え、獣を支配する神を玉帝が派遣してくれるよう求めた。玉帝はトラを派遣しようとしたが、トラは勝つたびに功績を記録するよう玉帝に要求。玉帝は人間の平安のためにトラの要求を受け入れた。
地上に来たトラは獅子、クマ、馬が当時最も強い動物だと知った。トラはこの3種類の動物に挑戦し、勇猛さと高い武芸の術で獅子、クマ、馬を立て続けに破った。他の乱暴な動物はこの話を聞いて、誰も住んでいない森林や荒野に隠れた。人々は喜び、トラの功績に感謝した。
天に戻ると、玉帝はトラが3度続けて勝利したことからトラの額に3本の横線を刻んだ。その後、人間はまた東海の亀の怪物に悩まされ、トラがまた地上を訪れて亀の怪物を退治した。玉帝は喜び、再びトラの功績を讃えて額の横線3本に更に1本の縦線を加えた。こうしてトラの額には目立つ「王」の字がつくようになった。それ以来トラは百獣の王として、獣を支配することになった。それ以来、トラの額には今でも堂々たる「王」の字がある。
獅子の悪行が天の宮にまで伝わると、玉帝は獅子を十二支から除いて、代わりにトラを入れることにした。それ以来、トラは十二支の動物になり、獅子は遠い南方に追いやられた。当然、トラは玉帝の宮殿前の衛兵から地上へと戻り、地上の平穏を長く守ることとなった。(編集YH)
「人民網日本語版」より
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