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元日本国駐中国大使の宮本雄二さん

2011-10-22 21:50:57     cri    

 先日、元日本国駐中国大使の宮本雄二氏が北京でCRI記者のインタビューを受けました。1971年10月25日に中国は国連における合法的地位を回復しました。2011年10月25日はこの歴史的な出来事の40周年に当たります。中国の国連の地位回復について、宮元元大使は歴史的事件の経験者として当時のことを語ってくれました。

――40年前、中国が国連における合法的地位を回復したことは当時日本にどんな影響を与えたとお考えですか?このことは来年中日国交正常化を迎えるにあたり、どんな意味を持っていますか?

 1971年の秋、国連の代表総会のことだったと思います。私は日中国交正常化の前に、台湾に行って、中国語を勉強してきました。したがって、そういうことは台湾で放送されませんでした。台湾でまったく放送されない、そういう時代でしたね。中国の国連加盟について、当時私は日本にいなかったので、日本国内の雰囲気は本当に分からなかったです。その後、日本に帰っていろいろなことを勉強して、これは非常に大きな歴史的なことだと日本の各界が捉えました。日本の人たちは中国をどちらが代表するのかと。多くの人ははじめから中華人民共和国だと思ったんです。普通の日本国民はみんなそう思っています。国際社会が中華人民共和国を中国を代表する国、政府として認めたことで、日本の国民に非常に大きな影響を与えました。それは間違いなく、1972年の日中国交正常化に繋がったと思います。そのため中国の国連地位の回復は大きな役割を果たしました。

――宮本さんはその時すでに日本の外務省で働いていましたよね。この大きな歴史的意味のある事について、何かエピソードをお聞きになりましたか?

 私は当時台湾に居ました。このことは台湾で放送しませんでした。当時の中国国民党に都合が悪い話は一切許さなかったんです。台湾は非常に厳しく報道管制がしかれていました。72年にアメリカのニクソン元大統領が訪中した時、私は日本の新聞をとっていましたが、全部黒く塗られていました。ニクソン元大統領が中国に行った内容が全部黒く塗られ、全然読めませんでした。そんな時代に、簡単に情報は手に入れることはできませんが、事実は事実なので、隠そうとしても結局みんなに知られます。

 

――このことが国際社会や世界情勢に与えた影響は?

 非常に大きな影響を与えました。1972年のニクソン元大統領が中国を訪問することを決めた理由の1つは中国が国連での地位を取り戻したことにあると思います。もちろんアメリカは大きな戦略的な理由で、中国との関係を回復しようと思ったのですが、間違いなく、国連が中華人民共和国を認めたことはアメリカの戦略に大いに影響しました。ご存知の通り、ヨーロッパはずっと前からアメリカより早く中華人民共和国を認めたのです。その声がだんだん強まって、アメリカもヨーロッパを押さえられなかったんです。そして、アフリカ、アジア、中南米の新しく独立した国々は非常に中国を後押ししたのです。中国の国連の地位回復はアメリカの方針転換に一番大きな意味があると思います。中華人民共和国が中国を代表することはそもそも当たり前のことで、時代の流れだと思います。(取材:陳博、ムケン)

プロフィール

宮本 雄二(みやもと ゆうじ)氏

1946年生まれ。日本の外交官。

1981年1月 在中華人民共和国日本大使館一等書記官。

1990年2月 外務省アジア局中国課長。

1997年6月 在中華人民共和国日本大使館特命全権公使。

2006年3月 駐中特命全権大使。

2010年10月 日本日中関係学会会長。

2010年12月 外務省顧問。

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