中関村経済区は北京市の西北部にあり、北京大学、清華大学、中国人民大学などの名門大学に隣接し、優秀な人材に恵まれています。また、1990年代から、中国IT産業の発祥地として、多くの海外留学帰国者を引きつけ、数多くの起業家が誕生しています。
北京大地豪城グループの取締社長洛勝さんは、東京大学建築学部の出身で愛知芸術大学景観デザイン学部を卒業しました。日本にいる13年間、洛さんは楽計画株式会社を設立し、日本の中部地区の9割以上の景観デザインプロジェクトに参加しています。2000年、洛さんは帰国して、中関村に北京大地豪城環境デザイン顧問有限公司を設立しました。
いま、43歳の洛さんは北京工業大学と共に、中国初の景観デザイン学科の設立に取り組んでいます。洛さんの話しによると、景観デザインはまだ世界的に見ても新しい分野で、理論研究が進められる必要がある一方で、実際的な応用も差し迫っています。また空間的な想像力と優れた技術処理能力の両方が求められる分野だということです。景観デザインは総合的な学科で、場合によっては建築物も含む橋、道路、公園及び建築群の全体的なデザインを行うもので、都市計画デザインとも言えます。景観デザインは新しい学科分野なので、現在、中国の大学で、この専攻の学科を設置しているところはまだなく、景観デザイナーの養成もまだ空白なままとなっています。
「環境芸術を勉強する人は空間想像力を持つものの、技術処理の知識が足りません。一方、理工系の学問を勉強する人は空間想像力に乏しいんです。景観デザインには感性も理性も必要です。景観デザインナーは感性と理性を上手く結合して物事を考えなければなりません」
中国では、都市化が進むに連れて、景観デザイナーに対する需要が多くなっています。しかし、人材育成や教育の立ち遅れにより、景観デザイナーの需給バランスは取れず、その割合は20対1となっています。このような現状を変えるため、洛さんは北京工業大学と共に、中国初の景観デザイン専門学科の設立に取り組んでいます。これについて、洛さんは自信満々に抱負を語りました。
「これは産業、学術、研究開発を一体化した学科です。教師、学生、わが社の社員が一緒に仕事したり勉強したり研究したりします。学生は実際のデザインプロジェクトに参加して仕事のチャンスも与えられます」。(つづく)
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