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中日青年交流「風月同天、共結未来」
   2007-07-19 17:18:25    cri

中日関係者 


 今年は、中国青年招聘事業が始まって20周年にあたります。20周年記念式典が、先月30日に北京市内で行われました。

 これは、中華全国青年連合会とJICA・日本国際協力機構が連携して、20年前の1987年から行っている事業です。両国の人々、特に若者同士の相互理解を深め、中日関係を健全に発展させることが目的です。毎年春と秋、100人ずつが日本を訪問しています。

全青連副主席・張暁蘭氏

宮本雄二日本大使

会場では、中曽根康弘元首相からの祝賀のメッセージも上映

 

 この記念式典には、中華全国青年連合会の張暁ラン副主席や宮本雄二日本大使、そして、かつてこの事業で日本を訪問した青年代表など、およそ200人が参加しました。中日関係者の挨拶のほか、パネルディスカッションが行われました。

 この青年招聘事業では、中国の各分野で活躍している青年が選抜され、「経済」「教育」「青年指導」「地域振興」の4つのグループに分かれて、日本に派遣されます。23日間の日程で、日本企業を訪問したり、観光をしたり、日本の青年と合宿セミナーを行ったりします。 

青年交流事業に携わる日本関連団体の代表

来場した中日関係者

全青連主席補佐、中日青年交流事業の将来像を語る

 今年の訪問団に参加し、帰国したばかりだという黄コウさんに話を聞きました。黄さんは江西省の九江市政府職員で、日本企業の運営や人事管理などに興味をもって、「経済」分団に参加しました。黄さんは、日本で経験したことを次のように語っていました。

 「日本に行く前は、日本についてあまり詳しく知りませんでした。国土は小さいけれど経済が発展している国…という程度の知識は、テレビや新聞を通して知っていましたが、正直、あまり知らなかったというのが事実です。今回の訪問では、大阪や奈良を中心にまわりました。パナソニック社を見学したり、奈良では明日香村を観光しました。特に忘れられないのは、奈良での1日です。地元の方々との交流活動で、中国に留学した経験のある日本人女性2人と知り合いました。2人とも中国語が上手でした。そのうちの一人が、ご自宅に招待してくれました。素敵なお庭で、バーベーキューをやりました。みんなでビールを飲みながら焼肉を食べました。緊張が一気にほぐれましたよ。楽しかったですね」  

ニマゾマさんからの手紙を娘が松本夫婦の前で朗読

 実は、青年訪問団のスケジュールには、日本の一般家庭へのホームステイが組み込まれています。そのホストファミリーを務めた方々が、今回の式典には数組参加されていました。式典ではホストファミリーと再会して喜んでいた参加者もいました。その中で、宮城県仙台市からの松本さんというご夫婦に出会いました。松本さんご夫婦は、これまでに何人ものホームステイを受け入れたそうですが、実は今回、どうしても再会したい人がいたそうです。その人は、チベット族のニマゾマさんという方で、1997年の訪問団のメンバーとして仙台を訪れたとき、松本さんの家に2泊しました。まずは、松本さんご夫婦が、当時の思い出を聞かせてくれました。

 松本さん:「ニマゾマさんは、1997年訪問団の団長でもありました。最初はとても緊張していたようですね。中国語以外は話せなかった。はじめは困ったが、なんとか筆談で交流したんです」

 松本さんの奥様:「2泊3日というごく短い時間でした。初めて外国人の方と一緒に生活しましたが、中国人の生活も私たちと一緒だなと分かりました。餃子を始めとするいろんな料理の作り方を教えてくれました。私たちはすっかり彼女のファンになりました。チベットの民族衣装も着せてもらいました。懐かしいですね」

10年前、ニマゾマさんが、松本夫婦にプレゼントしたイラスト

 しかし、残念なことに、松本さんご夫婦は、二マゾマさんに会うことができませんでした。というのは、ニマゾマさんは、いま青海省の省政府で活躍されていて、今回仕事の関係で式典に出席することができなかったのです。ご夫婦も非常に残念がっておられました。しかし、ニマゾマさんは、娘のバイマウンモさんに手紙をことづけ、自分の代わりに式典に出席させていました。会場では、バイマウンモさんが、松本さんへの手紙を読み上げるシーンがありました。

 「日本では、あちこち見学に行ったり、日本の人たちと歌を歌ったりして交流を深めました。日本を訪問下したことは、一生忘れることはないでしょう。特に、松本さんのお宅にホームステイして、日本の風習や生活などについて、理解することができました。実は先日、私は東京に行く機会がありました。そのとき、松本さんは、わざわざ仙台から会いに来てくださいました。面会できたのはたった30分でしたが、とても感動しました。今度はぜひ、私の家にも遊びに来てください。最後に、中国と日本の青年たちのあいだに、素敵な友情が結ばれますようにお祈りしています」(二マゾマさんの手紙)

 この手紙を受け取った松本さんご夫婦は、「ぜひ、またいつか会いたい」と涙ぐんで話していました。

 この中日青年招聘事業では、20年間で、実に4258人の青年が日本を訪問していますが、ただ単に日本を理解し視野を広めるというだけではなく、両国のあいだの友好を確実に生み出しています。(取材・写真撮影:任春生)

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