ボアオ・アジアフォーラム 中尾武彦氏が高齢化問題について語る
12:04:56 2025-03-27
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「人口高齢化と老齢年金改革」分科会の会場

 海南省瓊海市(けいかいし)で開催中のボアオ・アジアフォーラム2025年年次総会でこのほど、「人口高齢化と老齢年金改革」をテーマとした分科会が開かれ、中国と日本の専門家が活発な議論を交わしました。アジア開発銀行(ADB)元総裁・元日本財務省財務官・国際経済戦略センター理事長の中尾武彦氏が分科会後、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のインタビューに応じ、高齢化社会が直面する課題と解決策について見解を述べました。

インタビューを受ける国際経済戦略センターの中尾武彦理事長

 中尾理事長は、「人々の生活水準が向上すれば平均寿命が延び、高齢化社会に入ると同時に医療コストも増加するため、医療や介護コスト、年金はいずれも高齢化社会が直面する大きな課題だ」と指摘しました。

 ただし、中尾理事長は中国の高齢化政策について、「中国が速いスピードで年金制度や医療制度を整えてきたのは素晴らしいことだ。それに加えて、高い経済成長を維持してきたことで、高齢化対策にある程度のお金を使うことができた。そういう意味では大きな成果があったと思う」と評価しました。

 養老の面では、中尾理事長は、日本政府が財政上の圧力と経済成長のバランスをどのように解決するのかが依然として難題であると考えており、「日本は高齢者が上げる声が大きいから、介護や医療にたくさんのお金を使っており、研究費や教育費に回すお金が減ってくる。中国のように、若い人に対して、研究などで大量の投資ができればいい。だから、なかなかバランスを維持するのが難しいと思う」と述べました。

 中尾理事長はまた、解決策の一つとしてAIや介護ロボットの活用に言及し、「高齢者が増えていることで、医療や介護の負担が非常に重くなっている。それから、働く人が減ると経済成長を促すのが難しい。そういう時に、ロボットやAIはやはり、介護や医療にとって効果的だ。例えばトイレに行ったり、お風呂に入ったりする際の介護には、ロボットを使わないといけない」と述べました。(張、坂下)

4月25日ニュース

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