中国のチャンス 世界が共有 CMG主催の「春の中国」グローバル対話会中日対話開催
10:59:33 2025-03-21
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 中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)が主催する「春の中国:中国のチャンス 世界が共有」グローバル対話会の一環として、「イノベーションからみる中国経済の底力と課題CGTN中日対話」が20日、北京で開催されました。中日両国の専門家と学者がオフラインとオンラインの形式で、中国経済のホットな話題と中日経済貿易協力について踏み込んだ討論を行いました。パネラーたちは、「中国経済はいま、イノベーションを通じて真新しい活力を発揮しており、日本および世界の関連分野に活力を注ぎ込んでいる」との見解を示した上で、中日両国は今後、互いの経験を参考にし、「ミクロ」レベルでの交流をより一層深め、協力・ウィンウィン関係を構築していくことが非常に重要であるとの認識で一致しました。対話会は清華大学や早稲田大学などの100人の学生や中日両国の観客がオンラインで視聴し、パネラーたちと交流しました。

「イノベーションから見る中国経済の底力と課題CGTN中日対話」

【中国アニメ映画『ナタ2(原題:哪吒之魔童閙海)』の成功と国内外の映画業界への大きな影響】

日本企業(中国)研究院実行院長・陳言氏

 パネラーの1人・日本企業(中国)研究院実行院長の陳言氏は、「中国文学作品は表現力が豊かで深いことで知られており、映画化、特にアニメ化することで、巨大な芸術的潜在力と社会的影響力を持つだろう。今後、経済の急速な発展に伴う中国社会の変化、人々の運命、そして内在的な矛盾をアニメーション形式で表現することは、より幅広い共感を引き起こし、さらには日本のより多くの一般視聴者の注目を集めることになる」と述べました。

△中国芸術研究院教授・支菲娜氏

 中国芸術研究院教授の支菲娜氏は、「『ナタ2』の中国での著しい成果は、映画の独特な魅力を証明しただけでなく、世界の映画関係者の自信をある程度呼び覚まし、業界の回復に明るい要因をもたらしている」と強調した上で、「『ナタ2』の成功は中国のアニメ産業にとってのマイルストーンであるだけでなく、世界の映画業界が回復に向かうポジティブな兆しでもある」と述べました。

【イノベーションの視点からみる中国経済の底力と課題】

△桜美林大学大学院国際学術研究科特任教授・山田周平氏

 桜美林大学大学院国際学術研究科特任教授・山田周平氏は、シャオミ(小米)やiFLYTEK(科大訊飛)など中国のテクノロジー企業が成し遂げたイノベーションの成果を高く評価しました。その中で「シャオミは中国の民間企業の成功モデルとして、成熟した管理チームの指導の下でスタートアップ企業の大きな潜在力を示している」とした上で、iFLYTEKの北京本社を訪問した際の経験にも言及し、「教育用AIサービスの技術水準に感銘を受けた。ChatGPTのような米国のAIツールは英語の知識体系の下では優れているものの、中国関連のコンテンツには限界がある。一方、iFLYTEKの中国語言語体系に基づいたAI技術は、特にアルゴリズムと応用モデルの面で日本企業に重要な参考となる価値を提供している。日本企業がAI技術を開発する際には、中国の経験、特に多言語や文化適応性の面でのイノベーションを参考にすることができる」と語りました。

△日本国際貿易促進協会理事兼事務局長・泉川友樹

 日本国際貿易促進協会理事兼事務局長の泉川友樹氏は、「2019年に中国を訪問した際、多くの企業の管理者と従業員が非常に若く、活力に満ちており、人材育成とイノベーションにおける中国の大きな潜在力を体現していることに気づいた。国家が科学技術人材を重視することは、中国のIT、AIなどの分野での発展に堅固な基礎を提供しており、日本はそこから学び、経験を参考にすべきだ」と強調しました。

 一方、陳言氏は、「中国の近年のイノベーションの成果が集中的に爆発したのは、『ハスの法則』--すなわち長期にわたって蓄積したものが集中的に開花した結果だ。高等教育の普及、特許件数の増加および大規模な研究開発投資は中国のイノベーションのための堅固な基礎を打ち立てた」と述べました。

【中日両国は今後も相互学習を通じた協力・ウィンウィンの関係を構築へ】

 泉川友樹氏は、「日中の経済関係は変化しつつある。これまでは日本企業が中国で製品を生産して海外に販売したり、中国を通して日本ブランドの製品を製造したりするなどという協力モデルが形成されてきたが、現在では、中国経済の成長に伴い、中国が徐々に『表舞台』に出て、世界経済の重要な参加者となっている。この変化をいかにつかみ、日中の新たな協力関係を築いていくかが極めて重要だ」と強調しました。

 山田周平氏は、中日間の「ウィンウィン関係」を実現するには深い文化・経済交流が必要だと述べました。「これまで、日本メディアの中国経済への関心は経済成長率などのマクロデータに集中していたが、中国経済が徐々に安定していくにつれて、マクロの視点から見ることの意義は弱まっている。将来的には、具体的な技術や企業の動きにミクロレベルで注目した情報交流がより多くなる。より深いレベルの交流と協力を推進するために、中日双方とも、より多くの異文化コミュニケーション能力を備えた専門人材を育成する努力が必要だ」との見方を示しました。

 学生とパネラーの交流では、南京大学日本語学部4年生の陳葉敏さんからの「将来、中日経済交流に関連する分野で働きたい大学生にとって、在学中にどのような能力を重点的に磨くべきか」という質問を受けて、陳言氏は「言語能力は基礎であって、異文化コミュニケーション能力も重要であり、異なる文化背景を理解し尊重することも含まれている。また、新しい技術やトレンドに対する敏感さを保つことが、将来の仕事における競争力を維持する上で役に立つ」と指摘しました。

 山田周平氏は、清華大学日本語専攻の張抒悦さんの中日両国のイノベーション分野における深い協力に関する質問に、「中日両国にはイノベーション分野で幅広い協力の余地がある。中国の急速な発展は特にAIとスマート製造分野で日本に新たな協力の機会を提供している。両国は資源と技術を共有し、これらの分野の発展を共同で推進することで、互恵ウィンウィンを実現することが可能だ」と述べました。また、泉川友樹氏は「日中両国の協力にはイノベーション分野だけでなく文化産業も含まれている。今後、両国がより多くの分野で深く協力し、世界トップレベルの製品を共同で創造することを期待している」と述べました。(ミン・イヒョウ、坂下)

3月21日ニュース

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