中国初の完全電気推進海上観光船が進水
中国初の完全電気推進海上観光船「嶼見77」
中国初の完全電気推進海上観光船「嶼見77」(仮称)が15日、中国南東部の福建省福安市で進水しました。フォーチュン・グローバル500企業の象嶼グループ傘下のアモイ湾海上旅游客運が建造したこの客船は、今年7月に正式に就航する予定です。
「嶼見77」は中国初の中国船級社により分類された完全電気推進海上客船です。中国船舶七〇二所東方船研高性能船艇と福寧重工が共同で設計、建造したもので、全長49メートル、幅14.5メートル、深さ4.15メートル、乗客定員は358人です。この客船は完全なバッテリー駆動システムを採用し、450キロワット推進モーター2基を搭載し、最大速度は20キロ/時、航続距離は55カイリです。ナイトクルーズ4往復分の需要を満たすことができ、海上でのレジャー、エンターテインメント、遊覧、会議、飲食の機能を兼ね備えています。
従来の燃料船舶と比べて、同船の「グリーンエンジン」は年間250トン近くの燃料消費量と400トン以上の二酸化炭素排出削減が実現でき、6トンの硫黄酸化物、窒素酸化物などの有害ガス排出量も大幅に削減します。これは2万本以上の植林による二酸化炭素吸収能力に相当し、「汚染ゼロ、排出ゼロ」を実現しました。
また、技術イノベーションの面では、船の重要な設備が全産業チェーンの国産化を達成しました。中国船舶電力推進システム分野の主要サプライヤーである中船賽思億電気科技が自主開発した直流グリッドインバーター制御組システムを搭載し、インテリジェント化エネルギー管理を通じて動的エネルギー分配を実現しています。同時に、中国の電気自動車(EV)用蓄電池メーカーの寧徳時代(CATL)がカスタマイズした次世代船舶用動力電池システムを使用し、電池集積技術(CTP)グループ構造と宇宙クラスの断熱材を採用し、複雑な海況下でも安定した出力を確保することで、完全電気推進観光客船の安全に確固たる技術保障を提供しました。電力駆動を採用したため、客船は航行中の騒音がゼロで、乗客により静かで快適な乗船体験を提供します。(藍、榊原)
3月21日ニュース
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