【観察眼】地球環境の改善に我々は真剣だ=中国
中国北西部にあるタクラマカン砂漠では2024年末、砂漠全体を囲む全長3046キロの緑の砂防樹林帯の両端がついにつながった。同じ時期に、中国北部の内蒙古のクブチ砂漠にある太陽光発電所の「駿馬発電所」は、その大きな発電規模と特有の砂丘流動阻止機能で世界の注目を集めていた。
中国国外では砂漠対策を認めない声がある。しかし、中国はかつて、砂漠化した土地面積が261万平方キロで国土の4分の1を占め、荒野化けした土地面積は172万平方キロで国土面積の5分の1近くを占める状況に直面していた。中国人は愚公移山(愚公、山を移す。いかなる難事業も地道に努力を重ねれば最後には成し遂げられるの意)の精神を発揚し、1950年代から何世代にもわたって系統的な砂漠化防止事業に取り込んできた。このほど発表された「2024年中国国土緑化状況公報」によると、2024年の中国の植樹面積は444万6000ヘクタール、岩石砂漠化した土地を改善した面積は278万3000ヘクタール、森林蓄積量は200億立方メートルを超え、森林被覆率は25%以上に達した。そして国連の「砂漠化対処条約」事務局が中国に「砂漠化対策優秀貢献賞」を2回授与したこともあり、砂漠の被害に苦しむ国が中国と協力して砂漠の環境改善に取り組み始めた。
サヘラ地域はアフリカで砂漠化が最も深刻な地域の一つだ。アフリカ連合は、中国が自国の北西地域で実施してきた砂塵(さじん)被害を防止する「三北」防護林プロジェクトの経験を参考して、2007年に「グリーン・グレートウォール(緑の万里の長城計画)」に着手した。エチオピアなどの政府関係者は「中国の技術支援を受けて砂漠化した大量の土地が修復され、人々の生活は以前より良くなった」と述べた。
クブチ砂漠プロジェクトの、中国の太陽光発電と砂漠化防止、産業を結合させたモデルは、発電を行い砂丘を固定させると同時に牧草を栽培したり、家禽類を飼育することで、土地修復の総合コストを大幅に削減できる。サウジアラビア植生被覆開発・砂漠化対策国家センターは、中国からクブチの砂漠化防止技術などを導入した。サウジアラビアのアブドゥルラフマン・アル・ファドリ環境・水資源・農業相は、「中国の砂漠化防止技術は、わが国のグリーン・イニシアチブの実施効率を高めることに役立っている。その成果は中東地域の諸国に恩恵をもたらすことにもなる」と述べた。
中国は「緑水青山すなわち金山銀山(豊かな自然こそ、豊かな富をもたらす根源)」という理念により、産業構造とエネルギー構造の調整を推進し続け、太陽や水力、風力エネルギーなどの再生可能エネルギープロジェクトを大いに発展させている。中国は2020年9月に、2030年の「カーボンピークアウト(二酸化炭素など温室効果ガスの排出を減少に転じさせる)」と2060年の「カーボンニュートラル(二酸化炭素などの排出を差し引きゼロにする)」の実現という目標を明確に打ち出した。国際エネルギー機関が発表した2024年版の「世界エネルギー見通し」によると、2023年には全世界の再生可能エネルギーの新規設備の容量のうち、中国での容量が約6割を占めた。多くの発展途上国は中国の関連技術と製品を導入して自国の環境整備とグリーンエネルギーへの転換を推進している。
世界の発展途上国42カ国と中国は生物多様性の喪失、砂漠化、気候変動などの世界にとっての試練に対応するため、気候変動についての南南協力覚書を締結し、気候変動を緩和し、気候変動に適応するためのプロジェクトを展開している。南アフリカではデ・アールで建設された風力発電所が送電を開始したことで、現地の電力供給不足の問題が大幅に緩和された。インドネシアではシラタの浮体式太陽光発電所とカラワン100メガワット太陽光発電所が稼働を開始し、伝統的な化石燃料の使用の大幅減が可能になった。
中国の新エネルギー関連製品は近年、優れた品質と安価さで多くの国に導入され、市場シェアが拡大し続けてきた。しかしこのことが一部の国に「嫉妬」されるようになった。これらの国は貿易障壁を設け、中国の関連技術と製品の輸出を制限している。このことは結果として、世界の新エネルギー技術の進歩を減速させ、世界のグリーン低炭素化転換のプロセスを遅延させるだけだ。
国際エネルギー機関のヘイミ・バハール上級アナリストは、中国のクリーンエネルギー生産能力が急速に増加することは、中国だけでなく世界にとっても有益だと述べた。国連開発計画のアヒム・シュタイナー総裁は、中国は科学技術の革新と運用を絶えず加速しており、世界の多くの国と地域が中国のグリーン発展から恩恵を受けることになるとの見方を示した。
エチオピアの砂漠の周辺では緑があふれ、インドネシアの家庭では太陽光発電による電力が使われ、日本やオランダなどでは中国製の電動バスが走っている。現地の人々は自らの体験を通じて、中国が地球環境の改善に真剣に取り組んでいることを実感している。(CMG評論員)
3月21日ニュース
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