中国の31省で35~64歳の女性の子宮頸がんのスクリーニング検査率が50%以上に
「中国疾病予防管理センター週報」はこのほど、2023~2024年の中国の女性の子宮頸がんスクリーニング検査に関するデータを発表しました。35~64歳の女性の検査率はほぼ50%を上回っていることが分かりました。
産婦人科の超音波検査
子宮頸がんは世界の出産可能年齢の女性の間で2番目に多いがんです。中国の国家衛生健康委員会など10の部門は2023年、「子宮頸がんの発生抑制行動計画(2023~2030年)」を発表し、2025年までに出産可能年齢の女性の子宮頸がんスクリーニング検査率を50%、2030年には70%に高める目標を定めました。
中国疾病予防管理センターの調査チームは2023年から2024にかけて、31省・直轄市・自治区を対象に子宮頸がんスクリーニング検査率を巡る調査をおこないました。その結果、35~64歳の女性の検査率は51.5%で、20歳以上の女性のこの数字は36.8%だということが分かりました。35~64歳の女性の検査率は予定より早めに2025年の目標を達成できました。しかし、農村部ではこの数字はわずか48.2%で、依然として目標をやや下回っています。
子宮頸がんは女性がかかるがんで、女性の健康を甚だしく脅かしています。中国の全国腫瘍登録センターのデータによれば、2022年の中国の子宮頸がんの発病率と死亡率はいずれも女性の生殖器系の悪性腫瘍の1位で、新規発症患者数は15万人で、死亡数は5万6000人だと分かりました。
中国南部の広東省にある中山大学孫逸仙記念病院婦人腫瘍専門の林仲秋教授は、「子宮頸がんの発病数と死亡数は中国だけでなく、世界においても婦人科腫瘍の1位。その原因には予防とスクリーニング検査がうまくおこなわれていないことが挙げられる。子宮頸がんの前がん病変の段階には、ほとんど症状がない。症状が出た後、受診する患者の比率は70%と高くなっている。わずか30%の患者はHPVとTCT検査で異常を発見した後受診し、確認されたものだ」と紹介しました。
先進国と比べれば、中国の子宮頸がんスクリーニング検査のカバー率はわりと低いのが現状です。その原因について、中国疾病予防管理センターは教育レベル、家庭の収入、医療保険などを挙げました。(殷、野谷)
3月21日ニュース
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