中国の医療チーム 脳・脊髄インターフェースシステムの研究開発に成功
02:53:00 2025-03-10
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 世界で4例目の埋め込み式脳・脊髄インターフェース臨床概念検証手術が3日、上海にある復旦大学附属華山医院で成功し、まひ患者に対する治療効果は研究チームの期待を上回りました。これまで4例の手術の成功は、脳・脊髄インターフェース技術が十分に普及可能であることを証明し、技術的に大きな飛躍を遂げたというだけでなく、まひ患者にとっても大きな希望をもたらしました。

 中国南東部の広東省に住む林さんは2年前、誤って4メートル近い高さの階段から転落し、脊髄を損傷し、下半身まひになりました。林さんは今年18日、低侵襲の脳・脊髄インターフェース臨床概念検証手術を受けた最初の患者となりました。

 △術後12日目、医療スタッフの指導でリハビリに励む林さん

 復旦大学の加福民教授のチームが開発した脳・脊髄インターフェースシステムとは、直径1ミリ程度の電極チップ2個を脳の「運動野」と脊髄に挿入し、脳と脊髄の間に「神経の橋」を作ることで、脊髄を損傷した患者が自律的に下肢の歩行を制御できるようにするシステムです。研究チームは林さんの脳内と脊髄を包んでいる硬い膜の外側の重要な調節部位に、わずか2時間で、一気に低侵襲手術を施し、正確に電極を埋め込みました。

 林さんの右足は術後1日目にはゆっくりと曲がるようになり、術後3日目には脳の自律制御で両下肢を動かすことができるようになりました。術後10日目には、林さんは両下肢を自分で制御して大股で歩けるようになりました。術後49日目、林さんはぶら下がりながら歩行補助装置を使って単独で歩けるようになりました。林さんは「改めて歩く感覚を味わうことができた」と感無量に語りました。

 研究チームは今後、同技術の臨床での応用を段階的に進め、重症患者に対しては埋め込み式のシステムを、軽症患者に対してはウェアラブルな設備を開発する計画です。この技術は510年以内に普及し、全世界で2000万人余りの患者に恩恵を及ぼすと見込まれています。(Lin、坂下)

3月21日ニュース

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