中国の研究者 「超深海生物」の高圧力に耐える秘密を解明
11:33:19 2025-03-07
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 中国の研究者が遺伝子研究の学術分野であるゲノミクスの手法により、水深6000メートルを超える「超深海」で生息している生物が高い水圧下で生きていける秘密の一部を初めて明らかにしました。研究者は超深海で生息しているヨコエビや魚、微生物などを対象に、10年間にわたり研究の努力を積み重ねたとのことです。関連論文は7日、国際学術誌の「セル」に掲載されました。

 中国科学院世界深淵研究チーム、華大生命科学研究院、上海交通大学など多くの大学と科学研究機関は2014年から、世界の多くの超深海海域で採取した生物サンプルに対して様々な角度から研究を展開してきました。

 研究者は染色体レベルのゲノムと集団遺伝学分析により、端脚目に属するヨコエビが、超深海環境に適応する遺伝子を持っていることを証明しました。また、研究によれば、共生菌と「協力」して体内の浸透圧調節物質の濃度を調節し、細胞の完全性を維持することも、ヨコエビの高圧力に耐えられる鍵になっている可能性があるということです。また、多価不飽和脂肪酸の蓄積も魚が高圧力の中でも生きられることを補助しているとのことです。

 研究者は11種類の深海魚類のゲノムデータを細かく分析しました。その結果、深海に生きる一部の古代魚は1億年前からすでに深海環境に適応し始めており、3000メートル以下の深海に生息しているすべての魚類に存在する特殊な突然変異遺伝子は、魚類が深海の高圧力に適応する上で、潜在的な役割を発揮していることが明らかになりました。(ZHL、鈴木)

3月21日ニュース

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