中国の第14期全国人民代表大会第3回会議は6日に経済をテーマとする記者会見を開き、関係部門の責任者らが発展と改革、財政予算、ビジネス、金融・証券などの問題について国内外記者からの質問に答えました。

　国家発展改革委員会の鄭栅潔主任の紹介によりますと、新興産業と未来産業の育成を加速するため、近日中に国家ベンチャーキャピタル誘導基金を設立し、イノベーション型企業の発展を促していくということです。

　国家ベンチャーキャピタル誘導基金は主に金融資本にキーテクノロジーへの早期かつ長期的な投資を促すものです。同基金は１兆元（約20兆5000億円）相当の地方資本と民間資本を調達して、人工知能（AI）、量子テクノロジー、水素エネルギー貯蔵などの最先端分野にフォーカスし、市場ベースのあり方によってスタートアップ企業や中小企業、零細企業への投資を促し、独創的なディスラプティブテクノロジー（破壊的技術）やコア技術の進展をサポートしながら、戦略的な新興産業や未来産業の育成・発展を促します。

　また、今年の政府活動報告で言及されたバイオマニュファクチャリングやエンボディドAI、6Gなども同基金による投資対象に含まれています。同基金の存続期間は20年で、ハイテク革新企業がスタートアップ段階で直面する資金不足の問題を緩和し、新たな質の生産力の育成と発展にもつながると見込まれています。（Lin、坂下）