世界経済フォーラムのブレンデ総裁「中国経済の見通しを楽観視している」
世界経済フォーラム(WEF)のボルゲ・ブレンデ総裁はこのほど、スイスのジュネーブでインタビューに応じ、中国経済は短期的には課題に直面しているものの、長期的には向上するというファンダメンタルズは変わっていないとし、「中国経済の見通しを楽観視している」と述べました。
△世界経済フォーラムのロゴ
ブレンデ総裁は、中国政府は内需刺激などの一連の措置を講じて、経済を効果的に活性化させており、政府はさまざまな課題に対応するための十分な政策ツールボックスを持っていると指摘しました。
ブレンデ総裁は、「コロナの収束後、世界のサプライチェーンの枠組みは変わりつつある。中国の対外貿易はデカップリングや保護貿易などの課題に直面する中でも、依然として強靭性を示している」とした上で、デカップリングは世界経済に大きなマイナスの影響を与えているとし、「国際通貨基金(IMF)の研究によると、深刻なデカップリングと高関税は世界の経済成長を7%程度縮小させる可能性がある」と述べ、各国に話し合いを強め、関税問題を適切に処理し、デカップリングとサプライチェーンの分断を避けるよう呼びかけました。
人工知能(AI)の発展について、ブレンデ総裁は、AIは世界経済の成長の枠組みを再構築し、新たな成長分野をもたらすもので、適切に利用できれば「今後10年間で(世界の)生産性を10%向上させる」との見方を示しました。また、AIは世界貿易にも影響を及ぼし、事務作業や医療などの分野の働き方を変え、デジタル貿易とサービス貿易の急速な発展を推進するだろうとしています。
ブレンデ総裁は、インテリジェント時代の到来に伴い、新技術の発展と利用も中国などの新興経済国に発展のチャンスを提供するとの見解を示しました。
世界経済フォーラム2025年年次総会は「インテリジェント時代における連携」をテーマに、20日にスイスのダボスで開幕します。年次総会開幕前に発表された報告書「チーフエコノミスト・アウトルック」は、経済の分断、貿易紛争、地政学的危機が世界経済の成長に不確実性をもたらしていると指摘しました。
ブレンデ総裁はこれについて、「現在、世界は競争に満ちていて、多くの国が内向きの傾向を見せているが、依然として、連携こそが共通の課題に対応する唯一の道だ」と強調しました。(ZHL、坂下)
4月25日ニュース
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