中国本土映画興行週間ランキング（2024.8.19-2024.8.25）

　中米同時公開中の米国の話題作『エイリアン：ロムルス（中国題：異形：奪命艦）』が、中国本土で2週連続１位の大ヒットを記録中！興行収入は公開２週目で5.2億元（約105億円）へと大躍進し、北米での興行収入をも超える形に。米国では「PG12（小学生の観覧には、親又は保護者の助言・指導が必要）」とレーティングされている本作ですが、いまだ映画のレーティングシステムが導入されていない中国本土で「ノーカット」で一般公開できたことで大きな話題を呼んでいます。一方、「名探偵コナン」の最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星（中国題：名偵探柯南：百万美元的五棱星）』は公開２週目で１ランクアップし、トップ３入りを果たしています。興行収入は早くも２億元（約40億円）の大台を突破し、同シリーズの中国本土での最高記録を塗り替えることが予想されます。

単位：万元

～作品紹介～

【1位】エイリアン：ロムルス（中国題：異形：奪命艦）
公開日：2024年8月16日
監督：フェデ・アルバレス
主演：ケイリー・スピーニー　デヴィッド・ジョンソン　アーチー・ルノー　イザベラ・メルセード　スパイク・ファーン　アイリーン・ウー

　『エイリアン』（1979）のリドリー・スコット監督が制作を担当し、同作のその後の物語を描いたスピンオフ映画『エイリアン：ロムルス（中国題：異形：奪命艦）』が8月16日に中米で同時公開中。本作は『エイリアン』（1979）と『エイリアン2』（1986）の間の時代を舞台に、生きる希望を求めて宇宙ステーション「ロムルス」にやって来た6人の若者が、人間に寄生して進化するエイリアンに遭遇する物語を描いたもの。日本公開は9月6日から。

【2位】重生（Go for Broke）
公開日：2024年8月16日
監督：馬浴柯（マーク・マ）
主演：張家輝（ニック・チョン）阮經天（イーサン・ルアン）張榕容（サンドリーナ・ピーナ）馬浴柯（マーク・マ）陳國坤（チャン・クォックワン）

　クライムアクション『怒潮（Wolf Hiding）』（2023）などの馬浴柯（マーク・マ）監督の最新作『重生（Go for Broke）』が公開２週目でトップ３入りを果たしました。家族の敵討ちを狙う男が、警察と手を組んで、麻薬集団を一掃する物語です。主演は、前作『怒潮（Wolf Hiding）』から張家輝（ニック・チョン）と阮經天（イーサン・ルアン）が続投しています。

【3位】名探偵コナン 100万ドルの五稜星（中国題：名偵探柯南：百万美元的五棱星）
公開日：2024年8月16日
監督：永岡智佳
主演（吹替）：高山みなみ　山口勝平　山崎和佳奈　小山力也　堀川りょう　宮村優子　ゆきのさつき　小野大輔　遊佐浩二　緒方賢一　林原めぐみ　大泉洋

　「名探偵コナン」劇場版の最新作が、前作『名探偵コナン　黒鉄の魚影（中国題：名偵探柯南：黑鉄的魚影）』の中国公開から8カ月ぶりに登場！本作はシリーズ27作目として今年4月12日に日本で一般公開されたばかりで、北海道・函館を舞台に新選組の土方歳三ゆかりの刀をめぐる駆け引きを描いたもの。中国公開に合わせて、怪盗キッド役の山口勝平と服部平次役の堀川りょうが中国ファン向けにビデオメッセージを配信しました。

【4位】刺猬（The Hedgehog）
公開日：2024年8月23日
監督：顧長衛 （グー・チャンウェイ）
主演：葛優（グォ・ヨウ）王俊凱（ワン・ジュンカイ）李萍（リー・ピン）劉威葳（リウ・ウェイウェイ）耿楽（ゲン・ラー）

　今年6月に開催された第26回上海国際映画祭「金爵奨」メインコンペティション部門最優秀脚本賞に輝いた話題作『刺猬（The Hedgehog）』が8月23日に中国本土で一般公開スタート。本作は鄭執の短編小説『仙症』を原案にしたもので、時に狂気的な行動に出る老人・王戦団と、吃音症で留年した若者・周正というマイノリティの2人の心の交流と成長を描く物語です。『孔雀 我が家の風景』（2003）や『最愛』（2011）などの顧長衛 （グー・チャンウェイ）がメガホンを取っており、『女帝 ［エンペラー］（原題：夜宴）』（2006）や「狙った恋の落とし方。（原題：非誠勿擾）」シリーズなどの名優・葛優（グォ・ヨウ）と、中国のトップアイドルグループTFBOYSの一人・王俊凱（ワン・ジュンカイ）が世代を超えた友人関係を好演しています。本作の日本での公開は未定です。

【5位】抓娃娃（Successor）
公開日：2024年7月16日
監督：閆非（イェン・フェイ） 彭大魔（ポン・ダーモ）
主演：沈騰（シェン・タン）馬麗（マー・リー）史彭元（シー・パンユエン）薩日娜（サーリナ）

　ロングヒットを記録中の喜劇映画『抓娃娃（Successor）』がトップ5をキープ！本作は『西虹市首富（Hello Mr. Billionaire）』（2018）や『夏洛特煩悩（Goodbye Mr.Loser）』（2015）など数々の話題作を送り出してきた監督コンビ、閆非（イェン・フェイ）＆彭大魔（ポン・ダーモ）の最新作で、全ての希望を一人息子に託す親が、とんでもない教育方法を取る様子が描かれます。

【６位】逆鱗（Untouchable）
公開日：2024年8月23日
監督：大慶（ダーチン）
主演：沈騰（シェン・タン）張雨綺（キティ・チャン）高捷（ジャック・カオ）蔡文静（ツァイ・ウェンジン）

　奇しくも沈騰（シェン・タン）主演のもう１作品『逆鱗（Untouchable）』が６位に初登場！トップ10に２作品同時エントリーした沈騰は、名実ともに中国トップ俳優の座を不動のものに！本作は、沈騰お得意のジャンル・喜劇とは一線を画す犯罪ドラマに仕上がっており、沈が犯罪集団のボス役に初挑戦したことで注目を集めています。共演は、周星馳（チャウ・シンチー）に見出され、『ミラクル7号』のヒロインに抜擢されてデビューした人気女優の張雨綺（キティ・チャン）など。

【7位】白蛇：浮生（White Snake：Afloat）
公開日：2024年8月10日
監督：陳健喜（チェン・ジェンシー）李佳鍇（リー・ジャーカイ）
主演（吹替）：楊天翔（ヤン・ティエンシャン）張喆（チャン・ヂェー）唐小喜（タン・シャオシー）張赫（チャン・ハー）鄭小璞（ヂェン・シャオプウ）

　国産アニメのヒットを連発中のアニメ制作スタジオ「追光動画」のアニメシリーズ「白蛇」の第3弾『白蛇：浮生（White Snake: Afloat）』がトップ10をキープ。本作は、シリーズ第1弾『白蛇：縁起』に登場した捕蛇村に暮らす少年・宣が生まれ変わって、許仙として白蛇と再会し、西湖畔で共に暮らすところから始まる物語。金山寺の和尚・法海の出現により、2人の人生はとんでもない渦に巻き込まれていくことに。

【8位】逆行人生（Upstream）
公開日：2024年8月９日
監督：徐崢（シュー・ジェン）
主演：徐崢（シュー・ジェン）辛芷蕾（シン・ジーレイ）王驍（ワン・シャオ）賈冰（ジア・ビン）

　中国人の生活に欠かせない職業となったフードデリバリー配達員を題材にしたコメディ映画『逆行人生（Upstream）』が好評上映中。本作は、中国の作家・清明による同名小説を原案にしたもので、リストラの対象になって人生のどん底に陥った中年サラリーマンがフードデリバリー配達員になろうと決意する物語です。

【９位】ラーンマー（中国題：姥姥的外孫）
公開日：2024年8月23日
監督：パット・ブーンニティパット
主演：プッティポン・アッサラッタナクン　Usha Seamkhum　サンヤ・クナコーン

　2024年のタイの映画シーンで記録的なヒットとなっている新作『ラーンマー（中国題：姥姥的外孫）』が中国本土で一般公開スタート。タイの家族にありがちだという実話に基づく本作は、不治の病を患ったおばあさんと、その最期を看取る孫との絆を描く物語となっています。日本公開は未定です。

【10位】怪盗グルーのミニオン超変身（中国題：神偸奶爸4）
公開日：2024年7月12日
監督：クリス・ルノー　パトリック・デラージ
主演（吹替）：スティーヴ・カレル　クリステン・ウィグ　ピエール・コフィン　ミランダ・コスグローヴ　スティーヴ・クーガン

　イルミネーション・エンターテインメントによる「怪盗グルー」シリーズ4作目で、そのスピンオフシリーズ「ミニオン」を含む“怪盗グルーとミニオン”の作品群としては6作目となる『怪盗グルーのミニオン超変身（中国題：神偸奶爸4）』が中国本土で好評上映中。本作では、子育てに夢中になっていたグルー一家が、新たに現れる敵軍団に狙われる様子が描かれています。日本公開は7月19日より。

（ミン・イヒョウ、梅田謙）