バイオディーゼルの価格が高騰 廃油が供給不足

　昨年以来、バイオディーゼルの価格が上昇を続け、1トン7000元（約13万円）余りから現在は1万1000元（約21万円）前後に高騰し、伸び幅は50％を超えたとのことです。

廃食用油

　現在のバイオディーゼルの市場動向について、北清環能グループの匡志偉代表取締役はインタビューに答えた際、「現在、バイオディーゼル市場は供給不足の状態で、しかも需要は一層多くなる見込みだ。廃食用油について言うと、供給には限りがある。ほぼ全てが生ゴミから発生している」と述べました。

　廃食用油は数段階の処理により、バイオディーゼルを生産することができます。現在、バイオディーゼルの主な販売チャネルはヨーロッパにあります。ディーゼル燃料と比べてバイオディーゼルは炭素排出と汚染が少ないため、欧州連合（EU）は加盟国に対してディーゼル燃料に一定の割合のバイオディーゼルを添加するよう要求しています。2021年から実施されたEUの再生可能エネルギー指令では道路運輸業界に求めるバイオディーゼルの使用比率が10％から25％に引き上げられています。需要の増加により、バイオディーゼルの価格は50％以上上昇しており、原材料としての廃食用油の伸び幅も30％を超えたとのことです。

　バイオディーゼルの市場が拡大するにつれて、生ゴミで出る廃油の需要もますます大きくなります。現在、中国の食用油年間消費量は世界最多の4100万トン以上で、理論上、これによる廃油は1100万トン以上に達しますが、実際にバイオディーゼル産業チェーンに入る廃油は毎年300万トンに届きません。これについて、業界の関係者は「廃食用油の回収率が低く、使用できる原料がないことはバイオディーゼルの川下企業が直面する共通の課題となっているものの、バイオディーゼルの市場見通しは依然明るい」と述べています。（玉華、野谷）