【観察眼】中国の対外開放の拡大が、世界経済の回復にもたらす大きなメリット

　国務院の李克強総理は今年の「政府活動報告」の中で、ハイレベルの対外開放を拡大し、対外貿易・外資導入の着実な発展を推進しなければならないと指摘した。また、記者会見では、国際情勢がどのように複雑に変化しようとも、中国は揺るぎなく対外開放を拡大していくと表明した。中国の一貫した対外開放の拡大は、世界経済の回復へどんなメリットもたらすのだろうか。

　毎年、「政府活動報告」には財税政策に関する内容が多く含まれている。税金還付と減税に注目してみると、最大の特徴がその規模の大きさであり、今年の減税金額はここ数年で最大の2兆5000億元に達している。これについて、日本メディアは「中国政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、閉鎖管理や海外渡航の抑制などの措置を取っており、経済への悪影響が懸念されていた。しかし中国は企業の負担軽減を公表し、外国企業の投資を積極的に呼び込んだ」と報じた。日本の浅野勝人元外務副大臣は、「中国政府による税金還付や減税などの政策が、経済発展に新たな原動力をもたらしている」と指摘した。税金還付や減税といった優遇政策が、中国投資の魅力と中国経済の発展への信頼をさらに高めていることは明らかだ。さらに、外資企業は中国市場において、よりスピーディな発展を確実に促すことができる。

　商務部が最近発表したデータによると、2021年の中国の外資導入規模は、再び過去最高を更新し、初めて1兆元を突破し、1兆1500億元に達した。約10年ぶりに2桁成長を実現し、成長率は14.9%増となった。コロナの影響により、世界の多国間投資の変動は大きいものの、中国の外資利用は常に安定した成長を維持し、外国投資のホットスポットとなっている。2018年の第一回中国国際輸入博覧会開催以来、各国の出展企業は年々増加している。ブースを増設するだけでなく、感染症の影響で来場できない企業は、オンラインで積極的に参加するという選択さえしている。これらの動きは、このような共有、互恵の対外開放といった中国の開放の窓口を通じて、外資企業が実際に利益を得ていることを証明している。ジェトロ（日本貿易振興機構）を通じて輸入博へ参加した日本の中小企業からは、「輸入博は外国企業にとって、中国市場を把握する重要なプラットフォームであり、中国への投資の自信を高めることができた」というコメントも寄せられた。ジェトロ上海事務所の水田賢治所長は、中国市場は日系企業にとって、最も重要な海外市場だとの見方を示したうえで、「輸入博は巨大な磁場のようなもので、各国の企業に展示、コミュニケーション、協力のためのワンストップ・プラットフォームを提供している。今後、両国間の経済貿易協力に、飛躍的な進展が生まれると信じる」と将来への展望を語った。

　中国の孔子の名句「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」は、中国人のホスピタリティの真髄を表している。このような中国のおもてなしの心は、経済協力に対する誠意にも反映されている。中国の包容力、開放的精神、情報共有、そして協力が提供するチャンスは、海外からの投資やビジネスを引きつける中国の財産だと考えられる。

　外資の導入は、対外開放という中国の基本的政策の重要部分であり、開放型経済新体制の構築の重要な要素でもある。開放は自らの成果を上げるだけでなく、他人にも利益をもたらす。これまでに、中国は140余りの国・国際組織と「一帯一路」協力文書に調印し、多くの大型協力プロジェクトが稼働している。「一帯一路」沿線国と地域は、世界人口の60%を超え、世界貿易の3分の1以上をカバーしている。今後もハイレベルの対外開放によって、より深いレベルの改革を促し、より高品質の発展を推し進め、協力・ウィンウィンの実りが得られるだろう。

　コロナ禍において、世界経済の回復は困難で遅々として進まず、不安定で不確実な要素が依然として多い現在、各国は開放的な協力を拡大し、互いに発展の原動力になることが求められている。中国のハイレベルの対外開放は、国内・国際という2つの市場と2つの資源を十分に活用し、対外貿易と経済協力を持続的に拡大し、世界経済の回復に新たな原動力をもたらす。世界とともに、協力・ウィンウィンの花を咲かせ、共同発展を実現しよう。（CRI日本語部論説員）