北京
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米連邦議会下院は現地時間9日、ロシアから石油、天然ガス、石炭の輸入することを禁止する法案を可決した。この制裁は、米国がロシアに対して発動したものの中で、これまでで最も厳しいものだ。ウクライナ危機が勃発して以来、制裁乱用の弊害が徐々に顕在化している。欧州は、自らがこの紛争の主たる被害者の一人であることを知ることになった。
欧州の庶民はエネルギー価格の高騰に悲鳴を上げつづけている。食糧供給も同様に試練に直面している。安全保障問題はさらに厳しい。ロシアとウクライナは欧州諸国の隣人だ。そして欧州諸国は引っ越すことができない。ウクライナ情勢が安定してこそ、欧州大陸にとっての最大の安全保障が担保される。ウクライナ危機を作り出した張本人である米国は千里の彼方にあり、自らに影響が及ぶことはあまりない。それどころか、機会を利用して自国の軍需産業複合体にあふれんばかりの利益を得させ、ロシアをさらに圧迫し、欧州を厳しく束縛して、覇権を維持するためのカードをさらに多く獲得した。
欧州は対照的に、米国に追従して対ロシア制裁を発動したことで、その発展は打撃を受け、戦略的自立を模索することが大きく阻害されることになった。米国はウクライナ危機によって、欧州が米国支配から離脱することを妨げる方策を見出した。
盟友ですら計算ずくで扱う。米国ほど悪辣な国はない。
米国にとってはそもそも、欧州は平等な盟友ではなく、自国の覇権を維持するための踏み石なのだ。
欧州よ、今こそ「米国のわな」から抜け出す時だ。戦略的自主を構築するのだ。(CRI論説員)