北京
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中国税関総署のデータは、コロナ禍でにおいても中国の貿易が著しい成果を収めていることを示しています。今年1~2月に、中国の貿易は前年同期比13%以上増加しました。開催中の全国人民代表大会で発表された今年の政府活動報告は、ハイレベルの対外開放を拡大し、貿易の安定した発展を促進することを打ち出しました。
2021年に中国の貿易総額は6兆500億ドルに達しました。成長率は2010年以降では最高の30%でした。今年1~2月の中国の貿易総額は前年同期比13.3%増の6兆2000億元(約113兆円)でした。全国人民代表大会の代表を務める中国南部の広東省で生活用陶磁器の生産を手掛ける非凡実業有限公司の黄礼輝会長は、「企業は過去1年間にはタイミングよく調整したことで、よい収益実績を上げられた。今年の第1四半期(1~3月)も、企業による輸出は増加傾向を維持している」と述べました。
海運業が新型コロナウイルス感染症の影響を受けているために、貿易を行う企業が船便を確保するのは極めて困難な状況です。そのため多くの企業が「中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車)」による陸路輸送を選択しています。
近年になり、越境電子商取引が急速に発展しています。2021年には越境電子商取引による貿易総額が前年比15%増の1兆9800億元(約36兆2000億円)に達しました。2022年の中国の貿易は、感染症など複数のマイナス要因に直面すると見込まれています。全人代の代表を務める中国国際貿易促進会陝西省委員会の馬玉紅会長は、「越境電子商取引は貿易の安定に、さらに大きな役割を果たすだろう」との見方を示しました。
今年の政府活動報告は輸出入の安定と質の向上の確保や、国際収支の基本的均衡という目標を掲げました。商務部の王文涛部長は政府活動報告に先立ち、「複数の経済周期を念頭に置いた調整を通じて貿易の安定、市場の多様化、円滑な貿易サプライチェーンを実現させるほか、貿易の安定を保つための一連の措置を講じる方針だ」と表明しました。(殷、鈴木)