【観察眼】中国と米国のはざまにある日本企業の理性と英知

2022-01-06 19:36  CRI

 「新疆の綿花使用の問題で、私どもは中立です」、「ノーコメントです」、「米国の手法は企業に踏み絵を迫るもの。その手には乗りません」――。

 こう発言したのは、並大抵の人物でない。長年に渡り日本の長者番付トップの座を維持したユニクロ経営者の柳井正氏だ。柳井氏のこの発言には、特殊な背景がある。米国政府は昨年末、いわゆる「ウイグル強制労働防止法」を成立させ、米国企業及び米国人個人が新疆で作られたいかなる産品であれ、輸入することを禁止した。一部の国際企業は、この法律を理由に綿花など新疆の各種商品をボイコットし始めている。柳井氏の発言は、この状況を受けてのものだった。

 柳井氏はビジネス界の傑出したリーダーだけあって、中米対立の委細を見抜いている。柳井氏によれば、潜在的な競争相手を圧迫する米国の真意を詳細に理解すべきだ。日本もかつて、中国と同様の状況に遭遇したことがある。米国人は日本から輸入された自動車をハンマーで叩き壊したことがあり、トヨタはリコール対応に関連して「推定有罪」で米連邦議会の公聴会に呼び出された。米国人にとってそのようなやり方は、特に変わったことではない。

 中米の対立について冷静さを保っているのはユニクロだけでない。日本の大手企業の圧倒的多数は、新疆問題で米国に追随して中国の商品と中国人消費者と対立するという立ち位置を、選択してはいない。さらに、多くの企業が中国関連事業を強化する選択をした。例えばトヨタ自動車は、燃料電池システムを研究開発する企業を中国企業との共同出資で設立すると宣言した。製品はまず、北京冬季五輪向けに供給されるという。ローソンは巨額を投じて中国のコンビニ運営企業を買収し、中国における業務を積極的に拡大する。2022年度には中国国内の店舗数を6000店に拡大し、2025年度には1万店にまで拡大する計画だ。

 『日本経済新聞』によれば、新型コロナウイルス禍における経済の先行きが不透明になった状況で、中米のはざまで「バランス外交」を展開し、生き残りの道を苦心して模索することは、トヨタ自動車の現状であるだけでなく、日本の縮図でもある。

 1日には地域的包括的経済連携(RCEP)が発効した。世界最大規模の経済圏の船出だ。しかし日本は、日増しに増大する世界経済の下振れリスクに直面していることで、このような好材料があっても不安を隠せない。共同通信社によると、日本にとってRCEPは、自由貿易の拡大や経済成長につながることが期待でき、関税引き下げについて日本は中国を上回る、最大の受益国になる見通しだ。しかし日本の背後には中国と、アジア太平洋地域における影響力を死守しようとする米国の駆け引きが存在し、中米のはざまで日本が前進していくことは難しくなる。

 「はざま」と「生き残り」という言葉は日本の経済界、ひいては現在の日本全体が直面する苦境を端的に表現している。まさに正確な表現であり、イメージもその通りだ。かくして、本来ならば喜ばしいことが不安を招いてしまうのだ。しかしながら、何事も乗り越えて行かねばならぬものだ。多くの英知ある日本企業は、潜在的な競争相手を圧迫する米国の真意を見抜き、デマに踊らされるのではく、デマから遠ざかることを選択している。デマからは遠ざかる方がよい。人を傷つけ自らをも損ねる悪事の先棒をかつぐよりも、遠く離れている方がずっとよい。

 日本のあるテレビ局の番組で、リポーターが街頭に出て、日本国民の中国に対する印象と見方を取材したことがある。ある女性は中国について、あれこれと悪口を並べ立てて、中国商品は一生使わないと断言した。実に残念であったが、リポーターは彼女の持ち物に、中国製品がいくつもあることを発見した。この番組は多くの動画サイトにも転載されている。興味のある方は、ご覧になってみてはいかがだろう。(CRI日本語部論説員)

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