北京
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックが宣言されてから、あっという間に3年目に突入した。世界各国は依然として暗中模索を続けている。コロナ禍が続く今、世界各国はさまざまな偏見と先入観を捨て、互いに助け合い、共に困難を克服し、力を結集することで、「ノアの方舟」をつくり上げ、感染症に打ち勝ち、人類共通の故郷を守る必要がある。
この年末年始に、感染力の強い変異株・オミクロン株が欧州などで猛威を振るっている。米国、英国、フランスなどで報告された新規感染者数はそれぞれ記録を更新し、一部の保健当局者や専門家は「戦争状態」「急転直下」などの言葉で、現地の感染状況の深刻さを形容している。各国政府発表のデータを集計したAFP通信の報道によれば、北京時間1月2日2時45分現在、欧州の新型コロナウイルス感染者は累計1億人を超え、世界の3分の1以上を占めている。米国でも最近、新規感染者と死者の数がそれぞれ急増しており、オミクロン株がデルタ株に代わって主な流行株となっている。米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、米国では現地時間2021年12月31日に1日当たりの新規感染者数が61万人を超え、過去最高を更新した。コロナ禍の影響により、2022年1月1日には米国で2000便以上が欠航となった。これまでに、米国の新型コロナウイルス感染症例数は累計5486万人を超え、死亡者数は82万5000人を超えた。米国の複数の医学専門家は「新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、この1月に全米規模で『ウイルスの嵐』が吹き荒れ、米国社会が深刻な衝撃に直面する恐れがある」と警告している。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は新年へ向けた声明で、2022年に世界が新型コロナウイルスのパンデミックに打ち勝つことを楽観視していると表明すると同時に、不公平を終わらせることが前提だと指摘した。テドロス事務局長は、「狭隘なナショナリズムと一部の国によるワクチンのため込みが、公平性を損ない、オミクロン変異株の出現に理想的な条件を作り出してしまった。この不公平が長く続けば続くほど、阻止も予測もできないウイルスが進化し続けるリスクが高まる」と強調した。テドロス事務局長は、「2022年にパンデミックを終わらせるには、世界の全人口の70%が7月までにワクチンを受けるという世界的目標を達成するため、すべての国が協力して取り組む必要がある」と述べた。
新年早々、またも発生している感染拡大に直面し、欧米先進国も感染症の新たな変化にどう対応するかについて深く反省すべきだ。不公平なワクチン配分が長引けば長引くほど、より多くのウイルスの変異が現れる可能性が高くなるだろう。ワクチン普及に取り組む国際機関「GAVIワクチンアライアンス」のセス・バークレー事務局長が指摘したように、「すべての人が安全になるまで、絶対に安全な人はいない」。パンデミックに直面し、世界各国は誠意をもって協力し、力を合わせて「免疫格差」を解消しなければならない。国内の感染症対策をしっかりと行い、特効薬の研究開発とワクチン接種の推進を加速すると同時に、感染症対策をめぐる国際的な協力を推進し、ワクチンなどの感染症対策物資の援助活動を着実に実施し、手を携えて共に免疫の「グレート・ウォール」を築く必要がある。
パンデミックの発生以来、中国は国内においてさまざまな予防・抑制措置をとり、一貫して「ゼロコロナ」を堅持し、社会・経済発展と感染症予防・抑制を最大限に統一的に計画し、国民の命の安全と健康を守ることを終始第一に置いている。これと同時に、中国は一貫して各方面と感染症の予防・抑制と治療の経験を余すところなく共有し、現在までに120余りの国や国際組織に20億回分の新型コロナワクチンを提供した。
経済のグローバル化が進む現在、人類は苦楽を共にする運命共同体である。新型コロナウイルス感染症パンデミックという重大な試練に直面して、国際社会は一つになって協力して対応してこそ、一日も早く感染症に打ち勝ち、より良い未来を迎えることができるはずだ。(CRI日本語部論説委員)