【観察眼】「愛国者が香港を治める」が香港人の民主を保障する

　中国香港特別行政区第7期立法会選挙が19日に終了し、新たな任期を務める90名の議員が無事に選出された。今回の選挙は香港の選挙制度整備後初めての立法会選挙であり、香港の特色ある民主主義に貴重な実践を提供するものであり、国際世論の注目を集めていた。今回の選挙は多くの点でこれまでとは異なっており、顕著なのは中央政府の香港に対する全面的な監督権と愛国者による香港統治という二つの核心的要素の実行だ。だが、この二つは一部の西側メディアにより恣意的にゆがめられ、中傷されて来たものでもある。「ニューヨーク・タイムズ」は、北京は「愛国者」しか選挙に立候補できないよう、政治制度を抜本的に変えようとしていると論じた。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は香港の選挙民に白票を投じて立法会選挙をボイコットしようと扇動したほどだ。

　まず「ウォール・ストリート・ジャーナル」の動きを見てみよう。米国の法律では、選挙で白票を投じるなどの不正行為は重い刑事責任を問われることになる。ウイスコンシン州の裁判所では現在、2020年の米国大統領選挙で白票、無効票を投じた4人の有権者に対する詐欺事案を審理中で、その内、64歳の有権者は1人で2票の白票を投じていた。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は白票を投じるという、米国では犯罪になるような行為でなぜ香港市民を惑わすのか。一部の不謹慎なメディアは今回の香港の選挙をぶち壊すために、あらゆるあくどい手を使い、最低限の良識とギリギリのラインすら放棄してしまったとしか言い様がない。

　次に「ニューヨーク・タイムズ」の報道だが、「愛国者による香港統治」に疑問を呈しているのはさらに訳が分からない。愛国心がなく、香港を愛していない者には立候補する資格がないだけでなく、700万人以上の香港市民を代表して民主的権利を行使する資格も、香港人としての資格すらない。もしこのような者達に香港を治めさせれば香港を誤った悪の道に引きずり込むだけであり、正義の香港市民は誰も承知しないだろう。もしアメリカ国籍が欲しければ、米国憲法に忠誠を誓うと宣誓し、米国を愛さなければならないのではないのか。「ニューヨーク・タイムズ」のように、「米国を愛する者が米国を統治する」というのは政治的誤りだと疑問を呈している人を見たことがないのはなぜなのか。

　改めて今回の香港の選挙結果を振り返ってみよう。当選者たちの身分はかつて無いほど多様であり、政治経験が豊富で再選された者もいれば、政治の素人ながら選出された者もいる。ビジネスや政治分野のエリートばかりでなく、教育、医療、法律などの専門分野で抜きん出た者もおり、その陣容は「色とりどり」で見違えるほどだ。新選挙制度が香港の実情に基づいており、香港社会全体の利益と各界、各層別の利益を的確に擁護することのできる者であることを証明している。

　香港立法会選挙が成功裏に終了したからといって、香港市民が既に民主的権利を完全に手にしているというわけではない。人々が民主的権利を享受しているかどうかは人々が選挙の時に投票権を持っているかどうか、また日常の政治生活に継続的に参画する権利を持っているかどうかで決まる。中国の最高指導者はかつて、人々が投票の時だけ目覚め、投票後は休眠状態に入ってしまったら、選挙期間中に耳当たりの良いスローガンを聞くだけで、選挙後に何も言えなかったら、票集めの時だけ優遇され、選挙後は粗末に扱われたら、このような民主は真の民主ではないと強調した。

　香港は中国本土と同様、選挙民主主義と協議民主主義を組み合わせ、市民が選挙後の政治生活と社会生活の中でより良く主体性を発揮できる全過程民主主義を重視している。香港の民主化の進展は必ずや独自の広い路を進むことになると信じる。