北京
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今年10月から宇宙に滞在している中国人宇宙飛行士の3人。いよいよ今週木曜日の9日午後(北京時間午後3時40分)に、宇宙から生中継で授業をします。中国が建設を進めている宇宙ステーションからの初の授業です。女性宇宙飛行士の王亜平さんにとっては、2013年の「神舟10号」以来、2度目の宇宙での授業となります。
今回の授業では、宇宙飛行士の日常生活の紹介、宇宙での細胞学、光学、化学、物理学の実験などが予定されています。
さて、今週の番組のメニューです。
▼【日本語放送80周年~リスナーと共に歩む】(上)懸け橋としての電波
北京市内の公園内のカモ(12月1日 平文智撮影)
2021年12月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(86歳)
雪のような感触の文字にしたくてこのような字体につくりました。
子猷訪戴圖
(宋)來梓
四山如玉夜光浮
一水玻璃凝不流
若使過門相見了
千年風致一時休
子猷(しゆう)戴(たい)を訪うの図
来梓(らいし)
四山(しざん)玉の如く 夜光(やこう)浮かぶ
一水の玻璃(はり) 凝(こ)って流れず
若し門を過ぎて相見(あいみ)て了(おわ)らしむれば
千年の風致(ふうち) 一時に休(きゅう)せん
詩の内容は、「四方の山々は雪をかぶって玉のようであり、夜の光がさえざえと浮かんでいる。川の水はガラスのように、凝って流れない。もし門を入って戴と会ってしまったならば、千年に伝えていくべき風流の趣も、いっぺんになくなってしまうだろう。」と言ったところです。
この詩を読んで、王子猷(おうしゆう=書聖・王羲之の第五子)と友人戴逵(たいき)との故事を初めて知りました。その故事は五世紀に編纂された貴族のエピソード集『世説新語』に見えます。
ある冬の夜、雪がおおいに降った。目が覚めてみると、あたりは白々としている。王子猷は雪見酒を飲んでいるうちに戴逵に会いたくなって、船を漕ぎ出し、一晩かかってやっと到着したが、門前で引き返した。人がそのわけをきくと、もともと興に乗じて行ったが、興が尽きたから帰ったまでだと答えたという。
風流の逸事として喧伝され、画題にもなり、多く描かれました。詩はその故事を描いた絵を詠ったものなのですね。
上海へ行った折、急に友だちに会いたくなったことが何度かありました。でも、今はまずアポイントを取って、新幹線で出かけますから、このような風流は生まれません。雪の中を船で行く、なんてすばらしい光景でしょう。便利で寂しい世の中になってしまいました。
<お便りありがとう!>
★東京都の三輪徳尋さん
コロナウイルス感染症の脅威から未だに逃れることが出来ず、新しい年2022年を迎えても予断を許さない状況が続くものと思いますが、できるだけ早い時期に、習近平国家主席には、国賓として訪日していただけることを強く願っております。国賓での来日が実現すれば、必ずや、中日の関係がさらなる高みへ導かれるものと思っています。
パンダ杯へ作文を書かれている若者の多くが、イデオロギーとは無関係なところで人として、中国人と日本人が言葉を交わし、相手のことを理解する努力をした結果として、マスコミに誘導された「共産党の一党支配という政治体制への違和感」や「社会主義は独裁という漠然としたイメージ」などが、きれいに消え、理解し合える親しい友人になっていったのだろうと思います。
コロナウイルスが交流を断絶させる以前は、中国から多くの観光客が訪日され、中国の人たちが街にいることが普通になって、留学生さんが近所のお店でアルバイトをしていて中国の人たちの存在がかなり身近になっていました。中国の人たちとの関わり合いが増えたことは、お互いの距離を近づけることにとても好ましいことと思います。一日も早く、滞りのない交流が再開されることを願うばかりです。
★名古屋市のゲンさん
パンダ杯の作文の数々に感動しました。先入観や偏見は個人と個人の関係からこそ消え去る物だと痛感した次第です。とくに全文を紹介された太田みくさんの「私の中の目にみえない中国」には胸にこみ上げるものがありました。
私が初めて中国を意識したのは、若い頃に読んだ藤原ていの「流れる星は生きている」という大ベストセラーになった本です。満州からの引き上げの話ですが、戦争の凄まじい迄の「人間破壊」に衝撃を受けました。でも、みくさんの文章には衝撃はなくて、人間の優しさが、国を超えて素朴に家族に伝わっている温かさを感じました。
日本語放送開始80周年記念、王艾英さんのお声も鮮明に聴けました。放送開始の頃は3人5人というスタッフしかいなかったのは、信じられないようなご苦労だったろうと思いました。貴重なシリーズも楽しみにしています。
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