【観察眼】「六中全会」、中国の3回目の歴史的飛躍の実現を後押し

　中国の宇宙ステーションで有人宇宙飛行の任務を遂行中の中国の女性宇宙飛行士・王亜萍氏が7日、初の船外活動に成功しました。これは中国の宇宙科学技術分野の大きな進歩であり、女性の人類科学技術活動への参加の記念すべき一歩だとみられています。

　百年前を振り返ると、中国はマッチや釘さえ輸入に頼り、人口の8割が非識字者で、平均寿命は35歳以下という状態で、「東アジアの病人」と揶揄された「劣等生」でした。百年後の今日、中国は世界第２位の経済大国、世界一の製造大国となり、世界最長の高速鉄道網や高速道路網を建設するなど、大きな発展を遂げ、世界の「優等生」の仲間入りを果たしました。100年前には想像もできなかったことでしょう。

　そして100年前、浙江省嘉興市の南湖に浮かぶ船の上で誕生した中国共産党は、中国人民を率いて野を焼き尽くすような勢いで闘いを繰り広げ、民族独立を実現しました。その後、中国は自力更生によって民族復興の道を歩んできました。

　生誕100年の節目となる今年、中国共産党は第19期中央委員会第6回全体会議（六中全会）を8日から11日まで開催し、「中国共産党100年の奮闘による重大な成果と歴史的経験に関する決議」を審議しました。中国共産党の歴史において、同様の決議が採択されたのは過去2回だけで、いずれも歴史の重要なタイミングに採択されています。

　1945年、抗日戦争の末期に、中国共産党第6期中央委員会第7回全体会議は『若干の歴史問題に関する決議』を採択しました。この決議は、解放戦争の勝利と新中国成立に、重要な歴史的役割を果たしました。

　改革開放初期の1981年には、中国共産党第11期中央委員会第6回全体会議で『建国以来の党の若干の歴史問題に関する決議』が採択されました。この決議は、1949年の新中国成立後の一部の歴史的誤りを是正し、過去40年近くの改革開放の発展の道を確定しました。この2つの決議は中国共産党の歴史において2回の歴史的飛躍をもたらし、中国のこの数十年の発展に根本的な影響を及ぼしました。

　今、中国共産党は再び歴史の節目に立っています。世界最大の発展途上国として、中国のこれからの発展の道は試練に満ちています。中国共産党の100年におよぶ発展と成長には、どんな歴史的経験と秘訣が隠されているのか？ どうすれば初志貫徹して、中国の急速な発展をリードし続けられるのか？ どのように世界各国と協力し、ウィンウィンの関係を実現していくのか？ 全党レベルで認識を統一して、未来に向かう必要があります。「世紀の未曾有の大変局」という歴史的な瞬間に開催される今回の会議の意義と重要性は言うまでもないでしょう。

　会議で討議された『決議』原稿について、習近平総書記は党派を超えた座談会を開き、多くの意見と提案を聴取しました。このことからも、中国共産党が慎重に準備・検討を繰り返してきたことがわかります。本会議決議は、熟考を重ねた決議となり、中国の未来に大きな影響与える、歴史的な決議となるでしょう。

　中国共産党100年の発展の歴史を振り返ってみると、1945年と1981年の2回の全体会議の歴史的決議によって、中国はそれぞれ重要な時期に民族独立と改革開放という大きな歴史的飛躍を遂げたことがわかります。 いままた、中国は新たな歴史的局面に立っています。今回の「六中全会」の決議は、中国の3回目の歴史的飛躍の実現を促し、また中国が各国と手を携えて、人類の平和と発展を促進するために、より大きな力となるでしょう。（CRI日本語部論説員）