北京
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抗米援朝の時期における戦役の一つ「長津湖の戦い」を再現した『長津湖 (The Battle at Lake Changjin)』がなんと5週連続で1位に。興行収入は55億元に迫っており、大ヒットが記憶に新しい『你好,李煥英(HI, MOM)』を超え、呉京(ウー・ジン)監督主演作『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー(原題:戦狼2)』(2017)に次ぐ歴代2位になるとともに、今年のNo.1映画に躍り出ました。一方で、13年越しに中国大陸初公開を迎えた日本映画の『おくりびと(中国題:入殮師)』は初登場6位で、初動記録は2300万元(約4億円)となりました。
単位:万元
~作品紹介~
【1位】長津湖 (The Battle at Lake Changjin)
公開日:2021年9月30日
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)徐克(ツイ・ハーク)林超賢(ダンテ・ラム)
主演:呉京(ウー・ジン)易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)段奕宏(ドゥエン・イーホン)朱亜文(ジュー・ヤーウェン)李晨(リー・チェン)
抗米援朝の時期における戦役の一つ「長津湖の戦い」を背景に、中国人民志願軍が極寒の厳しい環境の中で敵との死闘を展開し戦局を逆転させたという71年前の壮絶な歴史を描く『長津湖 (The Battle at Lake Changjin)』が5週連続で1位の座に。『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)』(2017)などの陳凱歌(チェン・カイコー)監督、『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝(原題:龍門飛甲)』(2011)などの徐克(ツイ・ハーク)監督、『オペレーション:レッド・シー(原題:紅海行動)』(2018)などの林超賢(ダンテ・ラム)監督という3人のスーパーバイザーが手を組んでメガホンを取り、『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー(原題:戦狼2)』(2017)などの呉京(ウー・ジン)や、『少年の君(原題:少年的你)』(2019)などの易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)らトップ俳優が勢ぞろいしています。
【2位】007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(中国題:007:無暇赴死)
公開日:2021年10月29日
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
主演:ダニエル・クレイグ ラミ・マレック レア・セドゥ ラシャーナ・リンチ ベン・ウィショー アナ・デ・アルマス ナオミ・ハリス ジェフリー・ライト クリストフ・ヴァルツ レイフ・ファインズ
イギリスの敏腕諜報員ジェームズ・ボンド(通称007)の活躍を描く大人気アクションシリーズの第25弾が登場。現役を退き、ジャマイカで穏やかな日々を過ごしていたジェームズ・ボンドが再び過酷なミッションに挑むというストーリーで、主演は、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)から5作品演じてきた6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ。クレイグは、自身がボンド映画に出演するのは本作が最後になると語っているそうです。本作でメガホンを取るのは、ドラマ「TRUE DETECTIVE」シリーズなどのキャリー・フクナガ。ダニエル・クレイグのほか、『ボヘミアン・ラプソディ』でオスカー男優賞を手にしたラミ・マレックが新たにキャスティングされており、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリスらおなじみの面々が続投。
【3位】DUNE/デューン 砂の惑星(中国題:沙丘)
公開日:2021年10月22日
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ティモシー・シャラメ レベッカ・ファーガソン オスカー・アイザック ジョシュ・ブローリン ステラン・スカルスガルド ジェイソン・モモア ハビエル・バルデム
中国では「甜茶(スイートティー)」の愛称で親しまれるティモシー・シャラメが主演を務める待望のSF大作『DUNE/デューン 砂の惑星(中国題:沙丘)』が、トップ3をキープ!本作は、『スター・ウォーズ』にも影響を与えたというフランク・ハーバートの1965年のSF小説『デューン』を原案にしたもので、同小説の通算5回目の映像化となります。宇宙を支配する力を持つ物質「メランジ」の唯一の供給源であるデューンと呼ばれる惑星を舞台に繰り広げられる覇権争いを描く物語で、メガホンを取っているのは『ブレードランナー 2049』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。
【4位】我和我的父輩(直訳:私と私の父親)
公開日:2021年10月1日
監督:呉京(ウー・ジン)章子怡(チャン・ツィイー)徐崢(シュー・ジェン)沈騰(シェン・タン)
主演:呉京(ウー・ジン)章子怡(チャン・ツィイー)徐崢(シュー・ジェン)沈騰(シェン・タン)韓昊霖(ハン・ハオリン)宋佳(ソン・ジャー)欧豪(オー・ハオ)
2019年の国慶節に合わせて公開された『愛しの母国(原題:我和我的祖国)』、2020年の国慶節に合わせて公開された『愛しの故郷(原題:我和我的家郷)』に続き、今年の国慶節にはシリーズ最新作にあたる『我和我的父輩(直訳:私と私の父親)』がトップ3をキープ。シリーズ通して「家国情懐」(正義感や結束力、愛国心などを強く思う気持ち)がテーマになっていますが、本作は特に家族や親子の絆を中心に据え、社会の発展や改革の推進などに献身的に取り組む中国人の群像を描いています。前2作品と同様、本作も複数の監督による独立した物語で構成されるオムニバス形式で、4つの短編からなっています。人気スターの呉京(ウー・ジン)、章子怡(チャン・ツィイー)、徐崢(シュー・ジェン)、沈騰(シェン・タン)の4人が各作品で監督と主演を務めています。
【5位】第一炉香(Love After Love)
公開日:2021年10月22日
監督:許鞍華(アン・ホイ)
主演:馬思純(サンドラ・マー=マー・スーチュン)兪飛鴻(フェイ・ユー=ユー・フェイホン)彭于晏(エディ・ポン)張鈞甯(チャン・チュンニン)范偉(ファン・ウェイ)梁洛施(イザベラ・リョン)
第77回ヴェネツィア国際映画祭「栄誉金獅子賞」に輝いた香港の許鞍華(アン・ホイ)監督の新作『第一炉香』が、トップ5をキープ。本作は、中国の女流小説家、張愛玲(アイリーン・チャン)の出世作である『沈香屑 第一炉香』を原案としたもので、八一三事変後、上海から植民地時代の香港に渡った若い女性が香港社交界に染まり次第に堕落していく様子を描いた人間ドラマです。
【6位】おくりびと(中国題:入殮師)
公開日:2021年10月29日
監督:滝田洋二郎
主演:本木雅弘 広末涼子 山﨑努 峰岸徹 余貴美子 吉行和子 笹野高史
第81回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた滝田洋二郎監督の名作『おくりびと』の4K修復版が10月29日に中国大陸で一般公開スタート。13年前(2008年)に日本で公開された同作の中国大陸での公開は初めてで、一般公開のタイトルは『入殮師』となっています。本作は、遺体を棺に納める「納棺師」という仕事を通して、家族のあり方や親子の絆などの人間模様を繊細に描いた感動作で、当時は中国大陸での公開には至りませんでしたが日本や海外での高評価を受けたことから、中国の日本映画ファンの間で大きく注目されていました。
【7位】不速来客(Knock Knock)
公開日:2021年10月22日
監督:劉翔(リウ・シャン)
主演:范偉(ファン・ウェイ)竇驍(ショーン・ドウ)張頌文(チャン・ソンウェン)朱珠(ジュジュ)
人気俳優、范偉(ファン・ウェイ)主演の犯罪喜劇『不速来客(Knock Knock)』が一般公開スタート。ある住宅の中で殺人事件を目撃した泥棒が殺人犯を捕まえようとしたところへ配達員が乱入し、事態が収束できない方向へと発展していくドタバタ喜劇です。
【8位】烏海(Wu Hai)
公開日:2021年10月29日
監督:周子陽(ジョウ・ズーヤン)
主演:黄軒(ホァン・シュエン)楊子姍(ヤン・ズーシャン)塗們(トゥー・メン)
第30回東京国際映画祭の「アジアの未来」部門に出品された『老いた野獣(原題:老獣)』(2017)で鮮烈な長編デビューを飾った周子陽(ジョウ・ズーヤン)監督が満を持して届けてくれた長編監督作第2弾は、2020年第68回サン・セバスティアン国際映画祭をはじめ、第45回香港国際映画祭、第3回海南島国際映画祭などにも出品され、国際的な注目を集めた『烏海(Wu Hai)』。中国の小さな田舎町で暮らす若い夫婦が様々な危機に見舞われるわずか三日間の記録となっています。若い夫婦役を演じているのは、『空海 KU KAI 美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)』などの黄軒(ホァン・シュエン)と『So Young〜過ぎ去りし青春に捧ぐ〜(原題:致我們終將逝去的青春)』などの楊子姍(ヤン・ズーシャン)。また、『老いた野獣』で主演を務め、印象的な演技を披露した塗們(トゥー・メン)が今作では特別出演しています。なお、タイトルにある「烏海」とは、監督が生まれ育った内蒙古自治区にある町の名前です。
【9位】越界(Synesthere)
公開日:2021年10月29日
監督:梁鴻華(リャン・ホンファー)
主演:陳家楽(カーロス・チャン)陳嘉桓(ローズ・チャン)
中国の都市伝説をもとに制作された国産ホラー『越界(Synesthere)』が9位に初登場。
【10位】我是監護人(Model)
公開日:2021年10月29日
監督:敬然(ジン・ラン)
主演:尚語賢(シャン・ユーシェン)王硯輝(ワン・イェンホイ)林靖喆(リン・ジンジャ)田原(ティエン・ユエン)
女性監督・敬然(ジン・ラン)がメガホンを取り、米国で暮らす中国家庭のあり方と親子の絆を描いたホームドラマ『我是監護人(Model)』が一般公開スタート。主演は「僕はチャイナタウンの名探偵」シリーズの尚語賢(シャン・ユーシェン)と、『熱帯往事(Are You Lonesome Tonight?)』などの王硯輝(ワン・イェンホイ)など。(ミン・イヒョウ、謙)