北京
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23/19
先日、上海ディズニーランドが感染症のために緊急閉園したというニュースが注目を浴び、人々は現地の迅速な感染症予防・抑制対応システムと「すべてをコントロールする」ことが体現した整然さに仰天した。ハローウィンの夜は精霊や幽霊などのバーチャルなスリルを味わうだけでなく、自分が感染症流行のただ中にいるというリアルな感情も味わわせた。
10月31日の午後、杭州市で1名の新型コロナウイルス感染者が発生し、この感染者が30日に上海ディズニーランドを訪れ、終日パーク内で過ごしていたことが報告された。上海市の関係部門は報告を受けた後、ディズニー側に来場者の入園を停止し、すでに入場済の客にはPCR検査を受けた後に退場するよう求めるとともに、医療スタッフと人民警察を派遣して「逆入園」させた。
上海にあるディズニーランドは中国で最も人気のあるテーマパークの一つで、毎日大勢の入場者が出入りしているが、その中には上海以外から来た人たちが非常に多い。ディズニーランドでの防疫活動が成功するかどうかは、ディズニーランド自体の安全性に関わるばかりか、上海全体ひいては全国の防疫の大局に関わって来る。入場者の緊張と不安、ディズニー側や地元防疫部門のプレッシャーが如何に大きかったかは想像に難くない。
ディズニー側では当日の18時頃に感染症の通報を受けた後、直ちに閉園のお知らせを出し、入場者には速やかにPCR検査を受けるよう求めるとともに、まだ入場していなかった客にはチケットのキャンセンルや返金の細則を発表した。だが園内の全てのアトラクションや屋外でのショーは中止されず、当日のハローウィンの花火も予定どおり打上げられたことは注目に値する。退場するために長蛇の列を作ってPCR検査を待つ客と一心不乱に働く防疫スタッフがいる一方で、他方では相変わらず楽しさとファンタジーに満ちたディズニーのパフォーマンスが繰り広げられるという奇妙な光景が出現した。明るく輝く花火の下で、防疫活動は整然と行われた。
関係者の力を合わせた協力で、23時には全ての入場者が検査を終え、全員の陰性が確認された。訪れた数万人の入場者とスタッフや防疫関係者が一緒になって、緊張に満ちた忘れがたい一夜を過ごした。人々の落ち着きと冷静さ、ディズニー側と防疫部門の効率的で緊密な連携によって、上海は今回の感染症の試練を見事に乗り越えた。「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙は3万人余りの来場者がPCR検査を受けたあとに退場したことは中国が新型コロナウイルスの「ゼロ拡散」の方法を堅持していることを浮き彫りにしたと報道した。来場者達が列を作ってPCR検査を待つ間、パークの上空にはディズニーランドの夜の花火がいつものように打ち上がっていた。
怖いのは感染症の流行ではなく、それを前にして無為無策であることだ。現在、新型コロナウイルス感染症は中国各地で再燃しており、限られた地域では小規模なクラスターや散発的な感染者も発生している。感染症の予防・抑制活動が常態化していることを前提に、中国は流行を非常に重く受け止めているばかりでなく、強力な感染症予防チームを育成するために必要な決意を維持している。中国の防疫専門家が以前に語ったように、中国の今後の防疫政策は「陶器屋でネズミを捕まえる」ようなものであるべきで、その意味は仮に感染症をコントロールできたとしても、感染症によって社会生活に過大な影響を産んではならないということだ。「落ち着いた防疫」と「冷静な防疫」が最期には感染症に打ち勝つ希望と自信をもたらすだろう。