北京
PM2.577
23/19
「ニューヨーク・タイムズ」がこのほど発表した中国の感染症対策についての記事が、人々の注目を大いに集めた。「中国はどうして、世界で1カ国だけ『コロナゼロ』を堅持しているのか」と題したこの文章は、中国では「コロナゼロ」政策が顕著な効果を上げていることに言及する一方で、同政策が中国をますます異質な国にしていると評し、現状では中国だけが唯一、ウイルスの徹底した根絶に努力している国と論じた。
西側メディアが中国の「コロナゼロ」政策を批判するのは、これが初めてではない、ブルームバークはこれまでに、現在では世界の大多数の国が新型コロナウイルスとの共存を試みはじめているのに、中国は長期に渡り新型コロナウイルスを徹底的に消滅させようとしており、そのための代償は極めて大きいことになると主張する文章を発表したことがある。
中国各地の感染症の発生は依然として楽観が許されない状況だ。政府は「外からの進入防止、内では再燃の防止」を堅持し、断固たる措置を講じており、管理と抑止を強化している。感染症対策部門は感染者との接触歴がある人や感染の可能性がある人を全力で探し出し、感染に関連したコミュニティー区を封鎖し、重点地域にある映画館などの商業施設を臨時閉鎖させ、省境を越えた旅行を制限するなど、各種の措置を厳格に実施している。
中国の感染症対策の専門家として有名な鍾南山氏は、一部の国による放任して感染が発生してから対策を取る受動的措置に比べ、中国が採用している「コロナゼロ」政策は現状において、実際にはやむをえない措置であると同時に、コストが高すぎることははなく、低コストの方法と説明した。なぜなら、新型コロナウイルスは拡散速度が極めて速く、死亡率も高止まりしているからだ。仮に大規模な感染が発生してから規制をおこなえば、支払う代償はさらに巨大になるという。
中国は感染症対策のために局所的に代償を支払っているが、その見返りとして経済が安定しつつ好転し、社会の安定が保たれている。感染症が猛威を振るい、どの人も危険にさらされている一部の西側諸国に比べれば、中国は世界でも得難い「浄土」と言える。中国国民は政府の感染症対策を心から支持ししている。14億人あまりの人口大国が感染症に対する防衛ラインをしっかり守っていることは、国際的な感染症対策に極めて大きな貢献をしていることだ。
今年の夏、中国では感染症による「死者ゼロ」が実現していたが、一部の国では逆に10万人近くの命が奪われた。なのに中国の「コロナゼロ」政策を批判し、あたかも教師であるような態度で中国の感染症対策を疑問視し、さらには「経済や社会を何度も閉鎖するのではなく、ウイルスをコントロールすることを学ぶ必要がある」と訓告することまでする。彼らにそんな風に語る資格や気力を与えているのはいったい誰なのだろうか。
中国が「コロナゼロ」政策を守り通していることは、自国を外界と隔絶して鎖国により国を閉ざしていることではない。中国は自分自身の各種の感染症対策をしっかりと行った上で、各国の企業に幅広いビジネスチャンスを提供し、世界経済の復活に原動力を提供している。全世界において感染症が原因で展示会などのイベントが大量に取り消され延期されている状況にあって、中国は国際輸入博覧会、国際サービス貿易交易会、広州交易会、国際消費品博覧会など一連の開放型プラットフォームを構築し、世界とチャンスを共有し、手を携えて未来を創造している。中国は感染症によって「閉鎖的」になったのではなく、より開放的になった。協力の「友達の輪」は小さくなったのではなく、ますます大きくなりつつある。
世界における感染症の現状に基づき客観的に論じるならば、新型コロナウイルスが短期間で一掃されることはありえず、中国の「コロナゼロ」政策も永遠に不変ではないだろう。ワクチンの大規模接種と効果の向上にともなって、中国は感染症対策を徐々に緩和していくだろう。人類は歴史上、ウイルスとの戦いにいくたびも勝利してきた。その勝利が再現され、各国の人々が再び自由に往来する日も、そう遠くはないと信じる。(CRI日本語部論説員)