北京
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中国の国慶節7連休の前日、9月30日には、来年開催される北京冬季五輪・パラリンピックの新型コロナ予防・抑制の方針が発表されました。入場券の販売が中国国内の住民のみを対象とすること、各国選手にできる限りワクチンを接種するよう求めること、選手やスタッフら全員が毎日PCR検査を受けることなどが含まれています。
そして今日、10月5日から北京冬季五輪・パラリンピックのテスト試合が始まりました。新型コロナ対策を含む大会運営上の各作業がテストされる予定です。不足な部分を確かめて改善し、見事な大会を迎えられるようにしてほしいと思います。
さて、今週の番組のメニューです。
▼自動運転トラック 商用化を視野に実地走行
▼「中日の同年代、北京で歴史と平和を語る」②明治学院大学国際平和研究所研究員石田隆至さん
2021年10月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(86歳)
印文は「蘆花淺水」が美しいかなと思いましたが、己の人生に照らして「不繋船」を選びました。
江村即事
司空曙
罷釣歸來不繋船
江村月落正堪眠
縱然一夜風吹去
只在蘆花淺水邊
江村即事
司空曙
釣を罷(や)め帰り来たりて船を繋がず
江村月落ちて正に眠るに堪えたり
縱然(たとい)一夜風吹き去るとも
只だ蘆花淺水の辺(へん)に在(あ)らん
詩の内容は、「釣りをやめにしてもどってきたが、もの憂くて船をつなぐ気にもなれない。川べの村に月が落ちて、ちょうど眠るのによい心地。たとえ夜のうちに風が船を吹き流してしまったとしても、どうせ蘆の花の咲く浅瀬にただよっているだけのことだろう。」と言ったところです。
不繋船 … 船を繋ぎ止めない。船を止めずに、そのまま岸にあがる。この三字に、作者の悠々自適の心境が表れていますね。意味内容はずれますが、ぼくは、大不況の1954年(昭和29年)に社会人になり、これとて能もなく、何度かは職場を変え、風に吹かれるままに現役生活を終えたのは62歳でした。
退職した翌月には北京に渡り語学留学を始めます。上海師範大学では、秋の体育祭で、留学生は競技には出なくてもよいが入場行進には参加するようにとのことです。メーンスタンドに向かって両手を大きく振ったのは留学生チームだけでした。府中市・市民陸上競技場近くを通ったとき、緑の芝生で競技する人々を見て、その時を思いだします。
ひどい風邪にかかり、リターンビザも取らず帰国しましたが、その後もふらりと中国へ出かけたり、頼まれて篆刻講師を務めたり、好きな写真を撮り歩いたり、この歳になってスマホデビユーしたりと、不繋船を決め込んでいます。
<お便りありがとう!>
★名古屋市のゲンさん
でんぷんを人工合成するって??!! び――――っくりしました。
化学研究の力ってすごいですね。炭素を抑え込み、なんとか地球が長持ちする研究を今後もぜひ続けてほしいと思いました。
CRIインタビュー、石田さんのお話は次回も続く様ですが、撫順の軌跡をリアルに生々しく聞かれた時の様子が目に浮かびました。きっと聞き手の素朴さ、率直さがインタビューの奇蹟を起こしたのでしょうね。
王さんと石田さんが同世代で、お互いにお祖母ちゃん、お祖父ちゃんたちから聞いた話をしあうと言うのは、インタビューというより対談だと思いました。このこと自体も大変貴重だと思います。
★東京都の三輪徳尋さん
「自然界で数億年かかる進化の過程を一気に飛び越えて、世界で初めて二酸化炭素(CO2)からデンプンへの一からの合成を実現した。」とは、今日の話題を聞いて本当に驚きました。
植物のように太陽光のエネルギーと水と二酸化炭素を使って、炭水化物を自在に作りだせれば、今後深刻になってゆく食糧問題やエネルギー問題を解決できると光合成に関しての研究は、かなり古くから多くの科学者によって取り組まれて、多くの論文が発表されていました。
現状では、人工光合成によっては、プラスチックの材料や燃料となる物質を作ることは出来ても、人間にとって有用な物質であるデンプンなどを作る植物の光合成の再現は難しいとされていたように思います。
今回公表された研究では、人工光合成という方向ではなく、新たな視点で、CO2からデンプンへの合成が可能となったことは、驚きの研究成果と思います。
記者会見で公表された、「デンプン生産の従来の農業栽培スタイルから工業生産スタイルへの変化を可能になった」「人工的なデンプン合成の速度はトウモロコシの8.5倍」という研究結果は大いに注目すべきポイントだと思います。
また、地球温暖化の最も大きな原因とされている二酸化炭素が、デンプンの合成原料として有効に使われるならば、処理すら問題となっていた不要な物質が、一転して大切な資源となることであり、世界的な食糧問題と地球温暖化の問題を同時に解決できる素晴らしい研究成果なのだと思いました。
天津工業生物技術研究所が次のステップで考える人工合成デンプンの経済的実現可能性の検討や農業栽培の現場での研究成果を実用化する検討など、人工デンプン技術の実用化に向けた取り組みが、実験室レベルから現実の社会で活用されてゆく日が一日も早く訪れることに大きな期待をしています。
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