北京
PM2.577
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習近平国家主席は24日、2021中関村フォーラムにビデオ形式による祝賀のメッセージを送り、「世界経済の回復は厳しい試練に直面している。各国は科学技術の分野で開放と協力をさらに強化し、科学技術のイノベーションを通じて、重要な世界的問題を解決する道と方法を模索し、時代の挑戦に共に対処し、人類の平和と発展という崇高な事業を共に促進していく必要がある」と表明した。21世紀に入って以来、全世界の科学イノベーションはこれまでにない大いなる活性化の時期に入った。科学イノベーションが今日ほど世界各国の人々の生活や幸せに深い影響を与えたことはない。科学技術の協力に対する国際社会の渇望と要求は切実だ。
しかし一方で、国際社会では時流に逆らって協調を損ねる行動が起きている。日米豪印4カ国は最近になり、米ホワイトハウスにおいてクアッドの初の対面式による首脳会議を行った。報道を見れば、この会議については、米国が外交政策の重点を長い争点、すなわち伝統的なヨーロッパの盟友と関連するものから、アジア太平洋地域と急速に勃興する中国を対象にするものに転換したいという切迫な気持ちが、明らかに浮き彫りになっている。4カ国の首脳はクアッドに関連して「中国」を名指しで言及してこなかったが、「半導体を含む重要技術サプライチェーン確保」、「東・南シナ海でルールに基づく海洋秩序」、「宇宙空間の持続可能な活用のための規則や規範」などの共同声明が中国を念頭に置いていることは間違いなく、まさに中国を牽制(けんせい)するものと言わざるを得ない。国際関係の専門家によれば、バイデン政権は国際秩序の主導的立場を維持するために、いわゆる「民主同盟」を成立させたいと考えている。目的はただ、中国牽制に特化した統一戦線の樹立だ。クアッド4カ国の国内経済はかなりの打撃を受けており、新型コロナ感染拡大を抑制できない状況や自らの「安全」問題が深刻であるにもかかわらず、中国に矛先を向けようとしているわけだ。このことは時代の流れに逆らっており、多くの地域や各国が望んでいる安定と協力に背を向けている。このようなやり方は決して成功しない。
世界の発展の潮流は大きく前進しており、開放的な協力の勢いを減ずることはできない。中国の人々は自らの知恵と努力によって、科学技術の革新おける分野で多くの輝かしい成果を収めてきた。中国は世界の科学技術の進歩のために、中国の努力と中国の知恵によって貢献してきた。例えば500メートル口径球面電波望遠鏡中国「天眼」(FAST)は使用に投入されてから5年が経過した。FASTはこれまでに累計370個以上のパルサーを発見しており、すでに世界最強のパルサー探知器だ。中国政府は今年3月に全世界に対してFASTプロジェクトを開放することを発表した。全世界からは200件以上のプロジェクト申請書を受け取った。世界各国の科学者がこのプラットフォームを利用して研究を行い、人類に幸福をもたらすものとして、FASTプロジェクトは国際社会から高く評価されている。国際科学技術の革新協力の強化において、中国は口先で提唱するのではなく、実践を着実に推し進めている。科学技術の成果とは全人類を幸せにするためのものであり、政治的に利用するためのものではない。科学技術の成果を、他国を圧迫したり発展を抑制する手段にしてはならない。
科学に国境はない。科学技術の革新は全人類の財産だ。感染症対策、地球温暖化、食糧危機などの全人類に突き付けられた厳しい試練に対して、独力だけで対応できる国はない。世界各国は実用的で効果的な国際協力を早急に展開し、科学技術の発展と進歩を推進するために、全世界における発展に対しての難題と試練を解決する新たな道を切り開くべきだ。協力を通じて難問を解決し、科学技術の進歩によって世界の発展への利益をもたらす。このことは単なるスローガンではなく、世界各国が科学技術の協力を進める方向を定め、その動力源となるはずだ。(CRI日本語部論説員)