北京
PM2.577
23/19
今夜行われるサッカーW杯カタール大会のアジア最終予選B組の第2戦で、中国と日本が対戦します。実は両国は初戦で負けた者同士。日本は世界ランキング24位でアジアトップ、数多くの選手が欧州で活躍しています。一方の中国は世界71位でアジアで9番目、日本にはなかなか及びません。今晩の試合では、日本を見習う気持ちで、しっかりプレーをしてほしいです。そして、できれば日本のベストを引き出し、一緒に見ごたえのある試合を見せられればと楽しみにしています。
さて、今週の番組のメニューです。
CIFTISに出展したJNTO北京事務所のブースを背に齋藤敬一郎所長
▼【旬な話題】東京パラリンピック、中国で話題になる感動的な瞬間
▼【スペシャル・バスケット】<CIFTIS>中国人の海外旅行意向変わらず コロナ後の急回復に日本の期待高まる~JNTO北京事務所齋藤敬一郎所長に聞く
▼【CRIインタビュー】ピンポン外交から50年、名古屋で記念シンポジウム(下)~友好のバトンは受け継がれていく
2021年9月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(86歳)
起句の「見秋風」から、作者と同姓でしかも同じ洛陽勤務、加えて同郷人でもある西晋の文人・張翰の故事から生まれた成語「蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい)」を、印文に選びました。
秋思
張籍
洛陽城裏見秋風
欲作家書意萬重
復恐匆匆説不盡
行人臨發又開封
秋の思い
張籍(ちょうせき)
洛陽 城裏 秋風を見る
家書(かしょ)を作らんと欲して 意 万重(ばんちょう)
復(ま)た恐る 匆匆(そうそう)として 説(と)きて尽くせざるを
行人 発(た)つに臨(のぞ)みて 又 封を開く
詩の内容は、「洛陽の町に秋風が立つのを見、万感の思いをこめて故郷へ手紙を書く。せわしく落ちつかぬ気持ちで書き終えたので、何か言い残しがありはしないかと、手紙をことづける旅人の出発まぎわ、もう一度、封を開いてみる。」と言ったところです。
中国の旅で、いま一度味わいたい「味」があります。厦門の田舎で、お茶農家の民宿に泊まったときに出された料理です。壷形の器に薬草の根など数種類の植物から煮出したスープが入っていました。経験したことのない奥深い味わいがありました。
ぼくは中国の旅では、ときには「東来順」のような、煌びやかな非日常空間、北京の伝統工芸品 “景泰藍” の火鍋で食べる高価なしゃぶしゃぶも頂きますが、ほとんど市井の人たちが食べている「大衆食堂」です。
【蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい)】
西晋の文人・張翰(ちょうかん)は、呉が滅びた後、洛陽の都へ出て仕官していたが、ある年のこと、吹く秋風に、故郷の蓴菜(じゅんさい)の羹(あつもの=吸い物)と鱸魚(ろぎょ=ヤマノカミという魚)の膾(なます)の味が懐かしくなり、矢も楯もたまらず、役人をやめて帰郷したという故事から生まれた成語。「ふるさとの味」、ひいては「気に染まぬ宮仕えより、心にかなった田舎暮らし」の意味で使われる。
【北京スケッチ】小さな秋(平文智 9月5日撮影)
<お便りありがとう!>
★名古屋市のゲンさん
北京では、学校格差が原因で、不動産の価格も動くという話にはびっくりしました。
公平性を期すために、校長先生や教師が、ローテーションで変わるという事になったそうですが『えっ? 今迄、先生たちは転勤や移動はなかったのかなぁ?』と、むしろ逆に不思議に思いました。日本だと、毎年、先生たちの移動は、県や市の単位で、すべて新聞に発表されるんですから。
むしろ、各学校では、先生たちの方が、色々な子供たちをバランスよく各クラスに配属するように苦慮するという話をよく聞きます。国の成り立ちの根幹である「教育」も色々大変なんだなぁと思いました。
ピンポン外交については、名古屋はご当地ですので、報道で、1970年代初頭の古い映像もよく流されますよ。杉本安子さんのお話には、ご苦労が偲ばれて、もらい泣きしてしまいました。先輩たちの勇気やスポーツ交流での融和の気持ちを、私たちも次世代に受け継いでいきたいと思いました。
車椅子テニスのコーチの董福利さんのお話も学ぶことが多いですね。来週のインタビュー後半も楽しみにしています。
★宮崎県のD.Dさん
旬の話題の東京パラリンピック・車椅子テニス 董福利ヘッドコーチのエピソード。少女時代に災害によって障害を負いながらも、車椅子テニスに出会い、スポーツ好きな董さんが国家代表選手として自己実現していく様子や、コーチに転じてからの心構えや選手への気配りなど印象深いものでした。是非とも東京でメダルをと応援したくなりますね。
また東京五輪・中国選手団のヒーロの一人、100mアジア新の蘇炳添選手の五輪回想。幾度もスランプと戦いつつ、東京を目標に歩んできた蘇選手の足跡と、アジア最速の偉業が浮き彫りになりました。またアメリカ人コーチ・ハンティントンさんの回想も興味深かったですね。彼の今回の偉業は日本陸上界にも多大なインパクトとリスペクトを広げています。
CRIインタビューのピンポン外交50年は国交正常化前の関係者の苦労など貴重な証言・・・現代、陈梦選手と伊藤美誠選手が”おにぎり”を食べ笑顔で交流の動画が中日で大きな共感を集めたり、東京五輪で両国の選手達が試合後に健闘を称え合う姿が感動を広げる今日とは隔世の感があります。そこにはピンポン外交からの歴史の積み重ねがあるんだなと感じました。
【北京スケッチ】小さな秋(平文智 9月5日撮影)
★東京都の三輪徳尋さん
中国での義務教育が法律で定められてから、既に35年程が経過して、長い時間をかけて教育を普及させ、人材を育ててきた成果が現在の中国を大きく発展させる原動力となっているのだと思います。
様々な分野で急速な発展を続けている中国にあって、優秀な人材が多く求められることはとても当然のことなのだと思います。しかし、人材を育てるには絶対的に時間が必要であって、また、その人材を育てる優秀な教育者も育成する時間も必要になると思います。今は、社会の急速な発展と人材育成の速度差が生じていて、特に優秀な人材を育成できる教育資源の充実が追いつかない状況が続いているのだろうと思います。
現在の日本においては、公立の小中学校では、教育者の人事移動などが頻繁に行われるために、ほぼ均等になっていると思いますが、初等中等教育段階の公立学校における人件費の削減が顕著となり、公立学校の教育レベルが低下してしまっていることが社会問題化しています。
中国で、「教育資源の不均衡に起因する一連の社会問題の解消を目指して、小中学校間で教師や校長のローテーションが導入された」ことは、経済的な問題による教育格差を是正するとても良い取り組みに思えます。優秀な教育者が巡回することで地域の教育レベルは向上するものと思います。日本の様に人を育てる教育者の人件費を削減するような愚かなことを考えず、次世代の優秀な人材を育成する教育者を手厚く遇して欲しいと思います。
この試行が成果を出して、この巡回制度が広がることに期待しています。北京市内だけではなく都市部と農村部などとの交流なども活性化すれば、更に優秀な人材を育てる環境が充実してゆくことになると思います。
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