北京
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中国四川省寧南県と雲南省巧家県の境界に位置する白鶴灘水力発電所が6月28日、正式に発電を開始しました。発電ユニット第1号機は100万kW(キロワット)タービンで単一発電ユニットとしては世界一となっています。7月17日までに、第1号機と第14号機を合わせて、発電量は初めて10億kWh(キロワットアワー)を突破しました。
中国で7月11日は「入伏」の日で、一年で最も暑い時期に入りました。連続的な高気温によって、各地の電気使用量は急速に増えています。現在、西部の電力を東部に送る「西電東送」実施の重要プロジェクトであり、長江流域の洪水対策体制の重要な構成部分でもある白鶴灘水力発電所はどのような役割を担っているのでしょうか。
中国三峡建工株式会社白鶴灘プロジェクト建設部技術管理部の陳洋副主任によりますと、白鶴灘水力発電所は金沙江下流に設置された4つのカスケード式水力発電所(烏東徳、白鶴灘、渓洛渡、向家壩)のうち2段目に位置しています。発電能力は1600万kWで、完成後は三峡ダム(2250万kW)に次ぐ世界第2位の規模となります。1年の平均発電量は624億kWhで、成都市(人口1633万人)の2018年の年間電気使用量に相当します。ダムの高さは289メートルで、三峡ダムより高く、世界第3位の高さです。今年、正式に発電を始めてから、ダムの水容量は75億立方メートルに達し、金沙江下流の4つのカスケード式水力発電所のうち最も容量の大きい発電所になり、金沙江流域の洪水対策に大きな役割を果たしています。白鶴灘水力発電所の稼動により、下流域の渓洛渡ダム、向家壩ダム、そして三峡ダムの負担を減らすこともでき、洪水防止の効果がより高くなると見込まれています。また、白鶴灘水力発電所は「西電東送」の重要な構成部分で、主に華東地域に電気を送ります。発電所の稼働は、華東地域のエネルギー構成やエネルギー不足の状況も改善できるということです。
白鶴灘水力発電所の発電開始に伴い、金沙江下流の4ヶ所の巨大な水力発電所が全て稼働し始めました。この4ヶ所の設備容量は合わせて4646万kWで、三峡プロジェクト2つ分に相当します。こうして世界最大のクリーンエネルギー回廊はほぼ完成しました。(取材:王穎穎 オウギ)