【観察眼】世界の恒久平和に向け 忘れてはならない「7月7日」

2021-07-07 12:27  CRI

 今日は「盧溝橋事変」から84年となる日である。1937年7月7日、日本軍が北平(北京の昔の名称)南玄関の宛平城外で発砲し、「盧溝橋事変」を引き起こした。それにより、中国人民抗日戦争が全面的に始まり、侵略軍を相手にしたこの戦争は8年も続き、死傷者3500万人、戦争への出費及び戦争で失った財産は5600億ドルにも及ぶと見積もられている。

 中国と日本の歴史を大きく変えた「盧溝橋事変」の日。残念ながら、今日の日本では、7月7日は「七夕」一色で、「七七事変」の日だと思い出せる人がどのぐらいいるだろうか。

 それはさておき、よりによって、中国人にとってデリケートなこの日を目前に、日本の要人たちは、刺激的な発言を盛んに口にしている。5日、麻生副総理兼財務相は講演で、台湾が有事の際には、日本政府が安全保障関連法の定める「存立危機事態」と認定し、限定的な集団的自衛権を行使する可能性があると示した。麻生氏のこの発言に先立ち、複数の日本人政治家もすでに同じような発言をしている。

 台湾が中国の不可分の一部であることは世界の共通認識である。日本政府においては、1972年、中日国交正常化を実現した際、「台湾問題は中国の内政である」ことで合意している。麻生氏の発言を受け、中国外交部の趙立堅報道官は6日の定例記者会見で、「中日間の4つの政治文書に違反し、中日関係の政治基礎を損なっている」「誤った極めて危険な発言」と反発し、厳正に抗議を表明した。さらに、日本の軍国主義が中国で犯した侵略の罪に言及し、「歴史の教訓を深く汲み取っていない」日本の政治家がいることを批判した。

 1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾して、無条件降伏を発表した。この日は世界では「日本敗戦日」として記憶されているものの、日本では「終戦の日」としている。このように極めて繊細且つ慎重な言葉遣いをする日本ではあるが、ここ最近の中国関連報道では、あまりに乱暴な言葉づかいには閉口してしまう。

 7月1日、習近平総書記が中国共産党創立100周年記念の談話の中で述べた、「中国人民はいかなる外部勢力が我々を侮り、抑圧し、隷属を強いることを決して許さない。仮にそのようなことを企む者がいるなら、中国人が血と肉で築き上げた鉄鋼の長城の前で散々な目に遭うだろう」という発言が一部の日本メディアにより、ことさら大きく取り上げて報道されている。しかも「中国を刺激すれば頭が割れ血を流すだろう」という見出しが踊り、読者に血が滴る恐ろしい中国イメージを与えることに「成功」したと言えよう。

 習総書記の表現は、中国人の視点からすれば、アヘン戦争以降の百年余りにわたり列強に侵略され、不平等条約を押し付けられ、賠償金を迫られた痛ましい歴史を踏まえたものである。ある意味、歴史を振り返る際、すべての中国人の心からの声だと言える。「頭破血流」は中国語の熟語で、たくらみが実現しないことを言うときに使う表現である。それなのに、日本メディアは表現の真意をくみ取らず、好戦的なイメージを醸し出そうとしている。その報道ぶりは、意図的としか言いようがない。

 毎年8月は、日本では戦死者を弔い、平和を祈念する季節である。広島と長崎では平和集会が開かれる。平和こそ、国境の隔たりのない、世界中の人々の共通した願いである。この、人類にとってかけがえのない「平和」はどうすれば守れるのか。

 はっきりと言えることは、一部の政治家が歴史の経緯を顧みずに無責任に発する「豪語」も、報道の倫理を顧みずにセンセーショナルなフレーズで人目を引こうとする報道姿勢も、世界を平和へと導くことはできない。

 戦争と平和に向き合う時、日本の民間に育まれている「良心」に敬意を表したい。戦後の日本には、被害者である前に、加害者だった歴史もきちんと反省すべきだと主張する民間の声がずっと存在するからである。

 植民地化された中国東北部で日本の敗戦を迎え、その後、長きにわたってシベリア抑留を強いられた画家の香月泰男(1911-1974)はその一人と言える。日本敗戦後、中国にいた彼は、皮が剥かれたまま、道路わきに転がっている日本軍の「赤い屍体」を目撃した。それを日本人がこの地で加害者だった歴史を克明に物語った存在としてとらえ、その歴史は決して忘れてはならないと作品を描き続けてきた。一方、日本に帰国後、広島や長崎の原爆で命を落とした「黒い遺体」により、「日本人は戦争の被害者意識を持つことができた」、「まるで原爆以外の戦争はなかったようだ」と思う人が多いという現実に対して、香月は「私にはまだどうもよくわからない。あの赤い屍体についてどう語ればいいのだろう」「戦争の本質への深い洞察も真の反戦運動も黒い屍体からではなく、赤い屍体から生まれ出なければならない」と鋭く切り込んだ。

 7月7日に起きたことは、本来は中国と日本の双方で記憶されるべきことである。なぜならば、歴史を忘れないことこそ、新しい時代に向け、恒久的な世界平和の実現に向けた第一歩だからである。

(CRI日本語放送論説員)

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