北京
PM2.577
23/19
「悲劇中の悲劇」。新型コロナウイルス感染症との戦いにおける米国の混乱に驚かされて言葉を失った世界中の人々が、再び衝撃を受けている。米フロリダ州でマンション崩落事故が起きてから約10日間。救助の緩慢さと効率の悪さ、米政府の対応の冷淡さに、胸が張り裂けそうだ。
米当局によると、現地時間2日時点で死者は22人、行方不明者は126人となっている。発生から10日近く経過し、粉々になった廃墟の中にいる126人の生存の希望は相当にかすかなものとなっている。米国のネット上では、ハリウッド大作の「米国の英雄」と米政府自慢のハイテクはなぜ一夜にして消え失せてしまったのかとする怒りや批判の声のほか、米政府の当面の急務は100人以上の命を救うことであって、シリアを空爆することではないとの皮肉も見られる。
人は粉々になった廃墟の中でどれくらいの時間生き延びられるのか。「発災から72時間」が国際的な共通認識で、特に最初の24時間が人命救助において極めて重要だ。だが米国では非情にも、人命救助の鉄則よりも「お役所仕事」の方が勝っている。
米メディアの報道によると、崩落事故発生後、地元当局と連邦政府による救助資源の承認手続きに16時間もかかった。最初の救助隊が現場に到着したのは事故発生から16時間後で、しかもその人数はわずか十数人だった。
人々は映像を通じて、救助隊がまるで中国の伝統的な遊び「撃鼓伝花」をしているかのようにがれきを手渡しする様子を目にした。「考古学的救助」として各国のネットユーザーに嘲笑された。米メディアの報道によると、事故発生以来、米当局者にとって最も忙しい仕事は、救助を指揮することではなく、日々の記者会見で「希望はまだある」と主張することだ。
マンションはなぜ突然崩落したのか。救助はなぜこれほど緩慢なのか。その責任は誰にあるのか。この重要な問題を巡り、連邦政府と州政府は再び「責任なすりつけゲーム」に没頭している。
米国では、新型コロナウイルスの流行で60万人超が亡くなっている。テキサス州を襲った寒波による大規模停電で凍死者も出た。そして今回のフロリダ州でのマンション崩落事故。最も基本的な人権である生存権に対して少しも心を配っていない一部の米政治家には、「人権」の看板を掲げて他国にあれこれと口出しする資格などない。そうした政治家の命に対する冷たさは米国民の心を冷やしている。正真正銘の米国の悲しみだ。(CRI論説員)