北京
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ここ数年、都市名を曲名にするのが流行しているようで、「北京北京」、「廬州の月」、「僕は重慶っ子」などノスタルジアに満ちた歌が多くの若者に愛されています。都市はますます多くの若者にとって、生活、勉強、仕事、奮闘の舞台です。今回の中国メロディ―は人々に愛される都市のソングを引き続きご紹介しましょう。
「僕は重慶っ子」
「我是重慶崽儿(僕は重慶っ子)」という曲は2006年、李潤さんが作った重慶弁のラップソングで、中国南西部の重要都市、重慶に暮らす人々の喜怒哀楽を歌っています。この曲は映画「クレイジー・ストーン」のエンディング・テーマです。当時、この映画の大ヒットとともに、この歌は全国的に人気を博し、重慶の新しい名刺になりました。
重慶といえば、熱いピリ辛鍋を思い浮かべる人も多いかもしれせん。
昔 山があって
山の上に町があって
町に重慶人が住んでいて
男は実直で
女はとても素晴らしい
鍋の中に唐辛子がなければ、彼らは絶対に食べません。
重慶の方言で歌われたこのラップソングは重慶鍋のように濃厚で、重慶人の情熱的で豪快な性格を表現しています。歌は映画「クレイジー・ストーン」のユーモラスなエンディングとぴったり合っていて笑いを誘い、特に若い人に好まれています。
この歌の作詞、作曲、歌唱は「重慶っ子」李潤さんです。彼は重慶のグルメ、重慶人の性格をラップで表現し、より多くの人に重慶文化を理解してもらおうと努力してきました。しかし、この才能ある歌手は2016年に急性心不全のため36歳で亡くなり、多くのファンが悲しみにくれました。
「西安人の歌」
あの町 それはいつも人を捨てがたい
あの懐かしさは かつて来たことがあるようだ……
「西安人的歌(西安の歌)」は人気アプリTik Tokの2018年のヒットソングで、ネット上のクリック数は1億回を突破しました。2017年度アジア中国語音楽大賞を受賞し、最も心温まるフォークソングと言われています!
西安は古くは長安と呼ばれ、世界四大古都の一つでした。歌の中で古都・西安の伝統文化を表現しても、西安の新しい変貌を表現しても、すべてこの古都に対する憧れがあふれているかのようです。
歌は80年代生まれの西安育ちの男性歌手、范煒さんと程渤智さんの音楽ユニットが作り、歌いました。二人は似たような生い立ちと故郷の西安への愛で意気投合し、西安弁の歌をたくさん作って歌ってきました。この歌は西安人の目に映る西安の姿を歌っています。歌の中のユーモラスな歌詞と濃厚なノスタルジアは多くの西安人の共感を呼び起こしました。西安人は、あの心温まるメロディーと朗々とした歌詞を聞いて、西安人としての誇りが湧いてきたと言っています。
「廬州月」
「廬州月(ろ州の月)」は若手歌手・許嵩さんが2009年に作詞、作曲して歌った伝統の趣に富んだポップミュージックです。廬州は現在、安徽省の中心地・合肥市の古称で、この東洋の趣に富んだ歌は、昔の恋人に対する懐かしさを表現していて、伝統の趣に富んだポップミュージックの代表曲となっています。
歌は恋を手がかりにして、鑿壁偸光(さくへきとうこう/貧しい生活をしながら勉学に励むこと)、苦節十年(くせつじゅうねん/どんなに長い間逆境におかれても、信念を守りとおすことのたとえ)など多くの故事を引用していて、美しい東洋の趣に満ちた絵巻を描いているようです。
その年 涼しい秋風の中で
あなたと私は廬州の橋のたもとで会うことを約束した
小川の水はそっと流れて
月の光は澄んでいる
月の光の中のあなたの美しい姿に夢中になった
今年の秋 私は一人で廬州の橋のたもとに来た
小川の水と月の光は当時の情景のよう
ただ今は誰があなたのそばにいるのか分からない
月の光があまりにも多くの感傷を照らしてる
この歌は、「若い頃の愛は年月とともに変わる。名利もそうだ。過去のことは過去として、今を大切にし、未来に憧れなさい」ということを教えてくれるようです。