北京
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中国のシンクタンクである中国国際経済交流センター(CCIEE)と日本の独立行政法人国際協力機構(JICA)中国事務所が24日北京で、高齢化への対応に関する協力覚書に調印しました。
この覚書は双方が3年前から検討を進めてきたもので、高齢化社会の医療と介護分野における協力を主な内容としています。調印式には中国側からCCIEEの張大衛副理事長兼秘書長が、日本側からは日本大使館の志水史雄特命全権公使、JICA中国事務所の佐々木美穂所長らが出席しました。
張大衛CCIEE副理事長兼秘書長
あいさつに立った張副理事長兼秘書長は「日本では比較的に健全な、全国民をカバーした養老・介護システムが整備されている。CCIEEはここ数年、健康と養老、医療と養老、介護に関する研究を強化し、中国の一部の地方や機構と日本側との協力の深化に努めている。覚書の調印を契機に、JICA中国事務所と日本大使館からの支持を受けながら関連の協力を深めていきたい」と述べました。
志水史雄在中国日本大使館特命全権公使
志水公使は「日本と中国を含む世界の多くの国で人口の高齢化が進んでおり、高齢化社会の問題への対応は世界が直面する大きな問題でもある。覚書の締結によって、日本の知見の共有が促進され、日本の経験や技術が今後中国が迎えるであろう高齢化社会において貢献できることを期待している。同時に、中国の今後の経験が日本にも共有され、共に高齢化社会の問題に取り組んでいくことが期待される」と語りました。
佐々木美穂JICA中国事務所所長
また、佐々木所長は「日本は1994年に高齢社会を迎えた。官民を問わず様々な取り組みが行われており、世界に提供できる知見や教訓が多く蓄積されている。JICAは10年以上前から中国の関連機関と共に高齢化に関する協力を進めてきた。今回締結する覚書に基づき、両国の連携促進や高齢化という課題に対するさらなる研究、発展の一助になっていきたい」と述べました。
調印式
国際的に認められた高齢化の基準によれば、一つの国または地域の65歳以上の人口が7%を超えた場合、高齢化社会と見なされます。中国で今月発表された国勢調査によりますと、中国における65歳以上の人口が占める割合は13.5%に達しています。また、日本では2020年時点で28.7%となったということです。(文と写真:斉鵬)