【観察眼】「制御不能のロケット」はどこへ? フェイクは西側メディア自身を打ち砕く

2021-05-12 20:45  CRI

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 CNNが6日、「中国のロケットの残骸が間もなく地球に墜落」と題した文章を公式サイトに掲載した。さらに2日後には、「中国のロケットの残骸は今週末にも地球に墜落」と題し、事態をより深刻に見せるような文章を掲載した。

 世界的な権威性を持つメディアが、そのニュースサイトがこんなにも衝撃的な見出しを載せれば、大勢の人々が関心を寄せ、パニックを引き起こしてもおかしくない。このような報道を行ったメディアはCNNだけではなかった。BBCもまた、似たような報道をしていた。『ニューヨークポスト』に至っては、「10階建のビルほどの高さがある、重さ23トンの巨大な中国のロケットの残骸が今週末にもニューヨークに墜落しうる」などと報じていた。

 ところが、件の「週末」が過ぎて、新しい一週間が何事もなくやってきたのは、全人類の知るところだ。では、実際の経緯はどうだったのだろうか。

 彼らがいう残骸とは、4月29日に宇宙ステーション「天宮」のコアモジュールになる「天和」を載せて打ち上げられたロケット「長征5号B遙二」のことだ。「天宮」を予定の軌道に乗せた同ロケットは、日本時間5月9日午前11時24分に大気圏に再突入し、東経72.47度、北緯2.65度周辺の海域に落ちた。また、その残骸の大半は大気圏突入時に燃え尽きていた。これまでに被害の報告は出ていない。そして、このような手法は航空宇宙分野における国際的な慣例であることをここに特筆しておきたい。

 ではなぜ西側の一部の国々だけが、中国のロケットについてだけ、深刻な事態であるかのように喧伝してパニックを起こそうとするのだろうか。

 まず、西側メディアには中国の航空宇宙分野の発展について故意に歪め、「中国の技術的進歩は世界の脅威になる」という作り話する習慣があるのだ。その根は非常に深い。

 そもそも、このロケットには特別な設計を用いられており、ほとんどの部分が再突入の過程で燃え尽き、宇宙空間や地上に危害をもたらす確率は極めて低いとされていた。さらに、再突入の段階において中国はこのロケットをタイムリーに追跡し、情報も開示していた。

 ロケットの残骸がいくらか地球に落下するのは正常なことだ。それは明らかな事実である。しかし、西側メディアによる歪曲は止まるところを知らない。これについて、ドイツの公共放送ARDは冷静であった。同局は9日、「ここ数日間、一部の西側メディアが中国のロケットについて、『制御不能』『無責任』『設計上の不合格』などと非難してきた。だが、中国の航空宇宙部門が9日に、ロケットの残骸の大気圏再突入に関する情報を発表すると、でたらめな報道はピタッと止まった。ロケットの残骸を地球に落下させるのは、技術先進国を誇る米国にとっても当たり前のことだ。そして、中国と米国はこの分野においてほぼ同じレベルにある。では、一部の西側メディアの目的はなんであろうか」と報じている。

 西側メディアにダブルスタンダードが浸透してしまっていることも、今回の報道を招いた原因だろう。

 1ヵ月前、ある米国の宇宙開発企業が打ち上げたロケットの残骸が農場に落下した。それを多くのメディアが「流星のように夜空に輝く」光景だとして、ロマンチックに表現した。一方で中国のロケットの残骸については米国の専門家の言葉を用いて、「残骸は制御不能のまま大気圏に突入する可能性がある。人類の居住地域が破片の吹雪に襲われるかもしれない」と表現したのだ。同じロケットの破片の落下を、一方ではロマンチックな流星雨と呼び、一方では人類を襲う脅威と呼ぶ、明らかなダブルスタンダードだと言える。

 それどころか、残骸が落下した後でも、米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官は「中国の残骸の落下は無責任だ」と言い続けている。さらに米空軍宇宙軍司令部 (AFSPC) は声明を発表し、「落下の位置、影響、範囲はまだ不明だ」と示している。人為的に引き起こされたパニックは収束しつつあるが、狭量なダブルスタンダードは依然として大きな影響を与えている。

 一部メディアのが中国のロケットの残骸に対して抱く懸念は余計なものだ。報道によれば、史上初の人工衛星が打ち上げられてから60年以上にわたり、残骸が人間を襲った事件は一度もないという。米国の専門家も「ロケットの残骸が人間に的中する可能性は約10億分の1だ。メディアは大げさに騒ぎ立てる必要はない」と表した。

 中国のロケットが人を傷つけることはない。しかし、西側メディアが生み出した「中国の制御不能なロケット」とやらは、フェイクニュースを生んだ彼らの名誉に的中し粉砕するだろう。(CRI日本語部論説員)

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