北京
PM2.577
23/19
米軍の駐アフガニスタン司令官はこのほど、米国と北大西洋条約機構(NATO)がアフガニスタン国内にある複数の基地から軍の撤退を開始したと明らかにした。今年9月11日までに撤退を完了する計画だという。慌ただしく終止符が打たれた20年に及ぶ戦争がアフガニスタンに残したのは、見渡すかぎりの破壊の跡だ。
米国は20年前、反テロを旗印にアフガニスタン戦争を発動し、見ていて心が痛むような人道主義上の災難を引き起こした。米ボストン大学の「戦争のコスト」プロジェクトの統計によると、2001年以降、アフガニスタン戦争における累計の死者数は約24万1000人に上り、その中には7万1000人余りの民間人も含まれている。首都カブールでは、爆発やテロ攻撃は日常茶飯事で、住民は塗炭の苦しみをなめている。
アジア開発銀行によると、アフガニスタンでは人口の54.5%が貧困ラインを下回る生活をしていて、生産年齢人口の40.1%が1日当たりの収入が2ドルに満たない。今年の年始には米外交問題評議会が、タリバンについて、2001年のアフガニスタン侵攻以降で最も強大な時期にあると認めている。
20年間で2兆ドル超が投じられ、2400人以上の米兵が戦死した。この悲劇的な結末は、米国が発動したアフガニスタン戦争は徹底的に失敗したことを示している。また「米国式の民主」は風土に合わないことを証明し、米国による動乱の輸出と他国への干渉の悪い結果をさらに集中的に示してもいる。
アフガニスタン戦争は、米国が干渉主義を推し進めて世界に災いと騒乱をもたらす氷山の一角にすぎない。イラク、シリア、リビアなど、米国に武力干渉された国は例外なく、政治が混乱し、発展が停滞し、国民は生活困難で暮らしていけなくなっている。米国が「民主」の名の下に干渉し、「人権」を旗印に人権上の災難を作り出し、全世界の安定における最大のトラブルメーカーとなっていることを、世界はこうした状況からはっきりと見て取っている。(CRI論説員)