北京
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大型アートフェア「芸術北京(アート北京)博覧会」が4月30日から5月3日にかけて、北京で16回目の開催を迎えます(以下、「アート北京」)。事務局の発表では、2年ぶりに開催される今回の博覧会は現代美術、古典、写真、デザイン、パブリックアートの5パートからなり、150軒のギャラリーや団体が出展し、展示面積は2万平方メートルに上ります。
「2019年アート北京」、会場入り口の様子
例年と比べると規模やスタイルに大きな変化が生じた今年の「アート北京」では、目玉企画である特別項目(スペシャル・プロジェクト)が6つあり、歴代最多となっています。その内訳は(1)イギリスの現代美術家ダミアン・ハーストの作品展、(2)伝統文化と現代都市文化の融合に努める若手中国人アーティストたちによる「中国潮」、(3)中国現代油絵の写実派画家・忻東旺(1963-2014)の回顧展、(4)農村部からコロナ蔓延中の都市にいたるまで、中国を生きる人々の暮らしを記録したフォト企画、(5)画家8人による「中国水彩」、そして、(6)アバターやスタンプおよびライブ配信に特化したデジタル時代対応の新企画です。
忻東旺「白菜」 2011年
「中国潮」ポスター
スペシャル・プロジェクト「表情包+直播」 「二向共和国」画板から
また、パブリックアートの展示エリア「ART PARK」では「原動力」をテーマに、移行期の農村にフォーカスし、大自然の生態系と人的・文化的生態系との有機的な結び付けに着眼した作品が展示されます。
デザインにフォーカスした「設計北京」では、引き続き「アート・デザイン・暮らし」をめぐり、三者を結ぶ可能性を模索しながらも、境界線を打ち破ってアートとデザインを暮らしに戻すための努力が垣間見える展示となっています。大自然、ハイテク、ファッションとライフスタイルの融合により、ビジュアル的なインパクトも伝わります。
「2021年アート北京」のポスター
「アート北京博覧会」は「ローカルからアジア全体を見る」をコアコンセプトに、2006年から毎年北京で開催。2020年はコロナ禍を受けて開催を見合わせ、今年は2年ぶりの実施となります。同アートフェアの創始者でチーフディレクターを務める董夢陽さんによれば、開催を間近に控えて来場者の申し込み状況は予想を上回り、確かな手ごたえが伝わっているとのことです。
(記事:王小燕、梅田謙 写真提供:芸術北京博覧会)