北京
PM2.577
23/19
インドで新型コロナウイルスによる死者の街頭での火葬が日ごとに増えている中、彼ら「ワクチン民族主義者」の良心が目を覚まされることはあるのだろうか?
インドでは1日の新たな感染者数が4日連続で30万人を超えている。薬品は急を告げ、ワクチンは不足し、遺体安置所と火葬場には死体が山をなしている。多くのインド人がその場で身内の遺体を焼くことを余儀なくされている。ロイター通信はこれを「この世の地獄」と表現している。
米国政府は現地時間の25日、ますます高まる国際的圧力に押されて、ようやくインドにワクチン製造の原材料を含む医療資源を提供するという声明を発表した。皮肉なことに、一カ月あまり前、米国大統領はインド、オーストラリア、日本の指導者を引っ張り出した会議で、インドが新型コロナウイルスワクチンを生産し、それを他の国に配布するのを支援するための資金を提供すると語っているが、インドで流行が深刻化した後、ワクチン原材料の輸出禁止令取り消しを求めるインドに対して、米国国務省は22日に至るまで、依然として米国人への接種優先を理由に冷酷に拒み続けた。
ワクチン分配の不公平は貧しい国の人々をさらにウイルスの脅威にさらしている。豊かな国がワクチンを買い占め、ワクチン生産の原材料を規制する「絞め殺し」は依然として続いている。米国のデューク大学グローバル・ヘルス・イノベーション・センターのリポートによると、米国では7月までに3億回以上のワクチン投与がなされ供給過剰になる可能性がある。米国ノースイースタン大学の研究では、豊かな国のワクチン独占について、ワクチンが公平に分配された場合に比べて死亡者数が2倍になる可能性があると明らかにしている。言い換えれば、ワクチン民族主義がまさにウイルスによる「殺人」を助けていることになる。
新型コロナウイルス肺炎による死亡者数は現在までに世界で300万人を超えており、この数字は依然として増え続けている。赤十字国際委員会(ICRC)のペーター・マウラー総裁は先日「CRI時評」のインタビューに、ワクチンの公平な分配ができなければ、「今回の感染症流行は世界にいっそうの対立、いっそうの暴力、いっそうの貧困をもたらすだろう」と率直に語っている。彼ら「ワクチン民族主義者」の協調の精神に欠けた独善を放っておくわけにはいかない。(CRI論説員)