北京
PM2.577
23/19
早いもので、もう4月。日本では新年度に入りましたね。今回の火曜ハイウェイは4月最初の放送、中国で昨日まで続いていた清明節3連休が明けての放送でもあります。
清明節は二十四節気の一つで、中国ではお墓参りの風習があります。また、春を彩る花や新緑を見に、ピクニックに行くことも一般的です。統計によれば、今年の清明節3連休に国内旅行に出かけた人は延べ1億200万人で、去年同期比144.6%増となりました。新型コロナ発生前の同時期の94.5%という水準にまで回復しているということです。
リスナーの皆さんも、桜のお花見など、春ならではの美しい風景を楽しんでいるところでしょうか。
さて、今週の番組のメニューです。
▼清明節3連休に国内旅行ブーム
▼「中国天眼」が世界に開放
▼北京冬季五輪テスト大会で新技術
北京冬季五輪アイスホッケーの競技場となる五棵松スポーツセンター
2021年4月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(85歳)
石鼓歌
中唐 韓愈
公從何處得紙本 毫髪盡備無差訛
辭嚴義密讀難曉 字體不類隸與科
年深豈免有缼畫 快劔斫斷生蛟鼉
鸞翺鳳翥衆仙下 珊瑚碧樹交枝柯
金繩鐵索鎖紐壯 古鼎躍水龍騰梭
公 何れの処より 紙本を得たる 毫髪 尽(ことごと)く備わって 差訛 無し
辞 厳しく 義 密にして 読めども曉(さと)り難く 字体は 隸と科とに類せず
年深くして 豈に欠画有るを免れんや 快剣 斫(き)り断つ 生蛟鼉(せいこうだ)
鸞(らん)翔(か)けり鳳翥(はう)って衆仙下り 珊瑚 碧樹 枝柯を交う
金縄 鉄索 鎖紐すること壮なり 古鼎 水に躍って 竜は梭(さ)を騰(あ)ぐ
詩の内容は、「君は何処からこの拓本を手に入れられたのか、微細なところまできれいに備わっていて間違ったところはない。ことばも内容もがっちりとゆるみなく作られて、読もうとしても難解でなかなか通じないものだし、書体は隷書にも科斗書にも似ていない。年経るままに文字の欠けたところができているのは致しかたないが、切れ味のよい剣が生きているみずちやわにを斬りはなしたようなところがある。鸞(らん)や鳳が空をかけって仙人たちが天降るようであり、珊瑚や碧樹が枝を交えているようでもある。鉄の縄でがっちりと縛りつけたようでもあり、古い鼎が水より躍り出るがごとく梭に化けた竜が昇天するごとくでもある。」と言ったところです。
石鼓文といえば呉昌碩です。彼は生涯石鼓文の臨書に精力の限りを尽くしました。それがスケールの大きな篆刻にも表れているのだと思います。上海の呉昌碩記念館を初めて訪れたのは、98年11月30日でした。真筆の石鼓文を目の前にして、臨書でありながら臨書を感じさせない、つまり「背臨(原本を見ないで臨書すること)」を感じました。
彼が石鼓文から感じ取っていたものが、韓愈と同じだったかは分かりませんが、彼の絶句の中に、韓愈が石臼にされた石鼓を見て涙を拭った意が詠まれているところを見ると、共感するところがあったのでしょう。
石鼓は十個がセットとなって発見されました。その後、有為転変を経る過程でそのうちの一つが失われますが、後に発見された時には、上部を切りとって、石臼に仕立てられていました。上半部分が失われていたのです。十個の石鼓は、現在も故宮博物院の中に保存されています。
<お便りありがとう!>
★北海道石狩市の上田知晴さん
ドローンで血液製剤を空輸。25分かかるところが5分でって、実はこの話題、ものすごいことではないでしょうか。ドローンは良く空撮等で使われ、今まで見たことの無い風景が見られるので重宝がられましたが、こんな人命に関わることでの使用方法こそ本来の目指すべき未来的使用方法でしょう。こんな素敵な空路がビル街の間でどのように作られ、今後、都市と都市の間、いわゆる都市間ではどのように発展していくのでしょうか。5G先進国、中国ならではの事例も又、今度、是非教えてください。
それから、来ましたね。三星堆遺跡。歴史ファンのひとりとしては出た、来た、ヤッタッの気持ちです。世界四大文明の一つ黄河文明、黄河にあって長江に無いはずがありません。やっぱりそうかっ、の思いです。画像を拝見していると黄河文明とエジプトのツタンカーメンが合体したかのような新文明の発見と発掘。今まで世界の常識だった四大文明が五大文明に変わるかもしれません。又、黄河の殷や周と大陸の覇権を争った新しい古代国家が発見され、新たに古代南北朝時代が発見されるかもしれません。
★名古屋市のゲンさん
HPに紹介されている、斎鵬さん撮影のCRIのお庭の桜の美しさにうっとりします。まるでどこかの名所の公園のようですね。1年中春だと、春の嬉しさもボケるのでしょうが、厳しい冬、ことにコロナ禍の我慢我慢の生活を通った後の桜は、ちょっと軽やかな気持ちになれますね。
ワクチン接種の保護持続は6か月以上とのこと。永遠であってくれたらいいのですが、今後の追跡研究が待たれます。
又、ドローンによる血液製剤空輸の実現は素晴らしいですね。日本でドクターヘリが登場した時も、すごいと思いましたが、適時、適所で、一刻を争って医者か医療機器、薬品が空を飛んでくれたら、より多くの命が救われますね。
つばめの目、「中国で暮らす一生活者の視点」という、王さんの冷静な語り口は両国にとって学ぶべきものだと思いました。
★宮崎県のD.Dさん(ラジオネーム)
旬な話題の三星堆遺跡の話題はロマンがありますね。楽しみです。また中国でのコロナワクチン、外国人や60歳以上の方々への接種なども興味深く聴きました。
そして”つばめの目”のコーナー、池上氏の中国関連の番組への、小燕さんの感想や指摘は全くその通りだと思いますね。池上氏はベテランのジャーナリストで知名度も高いとされていますが、氏のコメントに疑問を感じる日本人も少なくありません。小燕さんの仰る通り、先入観や偏見ではなく、冷静で客観的、公正な報道を望みたいですね。
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