【観察眼】映画「唐探3」に称賛の嵐!中日の文化事業協力に期待

2021-02-25 13:52  CRI

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 今年の春節(旧正月)連休中、映画館で映画を鑑賞することは人々の主要な娯楽の一つとなった。その中には中国の監督が日本で撮影した映画「僕はチャイナタウンの名探偵3(中国語タイトル:唐人街探案3)」(以下、「唐探3」)がある。春節の初日(12日)から23日の午後までで、全国の興行収入は41億元(およそ670億円)に上り、中国映画史上において社会現象を引き起こすほどの出来事となった。

 映画は2人の中華街からの探偵が日本で起きた殺人事件を調べる物語だ。東京の新宿、渋谷、お台場などを舞台に、中国人俳優以外に妻夫木聡、長澤まさみなど日本の実力派俳優が起用されている。また、映画にヤクザ、相撲、剣道、忍者、風呂、パチンコ店、コスプレなど日本独自の文化が随所に表現され、中国人観客の好奇心を大きく抱かせた。新型コロナが依然として世界中で拡大している中、「唐探3」というコメディー探偵映画は、2021年の春節に中国の観客に喜びとともに莫大な経済効果ももたらした。これはなかなか面白い現象である。

 興行収入から見れば、「唐探3」はこれまでの中日映画製作協力で最も成功した映画といえるだろう。コメディーとサスペンスのほかに、監督の発想力に基づく東京の繁華街でのアクションと追跡シーンも人々が映画館に足を運んだモチベーションの一つだ。新型コロナによって、多くの中国人観光客は春節連休中に日本に行って観光することはできなかったが、「唐探3」の鑑賞を通じてこの焦りを鎮めることができたに違いない。

 観光業は日本経済を支える基幹産業の一つだ。日本の観光局が17日に発表したところによると、1月の訪日外国人の数は4万6500人、前年同期比98.3%減となり、このうち中国人の数は1万200人で、前年同期比98.9%減少したとのことだ。これまでの春節だと、中国人観光客は銀座の高級百貨店、新宿の大型家電量販店のほか、浅草寺、東京タワーなどの有名な観光スポットに殺到した。しかし、新型コロナの発生により、中日両国を含み、世界中の観光業の協力は中断されてしまった。日本を観光する旅行者が一番多い中国を含む世界からの観光客の急激な減少は、日本の観光業と小売業に致命的な打撃を与えた。このうち、メイン事業として中国人観光客を取り扱う一部の日本の観光代理店は経営難に陥り、経営破たんに瀕している。中国人観光客が日本の観光業に対していかに重要かということがここから伺える。

 実際のところ、中日の交流と協力は政治、経済、文化、科学技術、教育、人的交流などの分野ですでに切っても切られない状態に置かれている。良好な協力関係を維持・推進すれば、必ずウィンウィンできる。特に経済分野において、協力の実績が顕著になっている。中国税関総署がこのほど発表したデータによると、2020年、中日間の輸出入貿易総額は3175億3800万ドル(33兆5510億6508万円)、前年同期比0.8%増加した。このうち、日本からの輸入額は1748億7400万ドル(18兆4771億8684万円)、前年同期比1.8%増加した。日本の財務省が1月に発表した大まかな統計によると、2020年、日本の輸出額は前年より11.1%減少したが、中国経済が急速に回復したため、日本の非鉄金属、自動車とプラスチック製品の対中輸出は著しく伸び、年間の対中輸出が2.7%増加した。日本の対中輸出総額は対外輸出額全体の22%に上り、中国は改めて日本の最大の輸出先となった。

 これに対して、帝京大学経済学部の露口洋介教授は、「新型コロナ及び欧米などの国が取った一国主義と保護主義が世界経済にチャレンジをもたらすなど、多くの不利な要素が入り混じっている状況で、日中両国については多国間主義や互恵共栄の原則を堅持することから得た成果であり、実に容易なことではない」としている。

 また、東京大学社会科学研究所の丸山知雄教授は、「中国は2020年に世界で唯一の経済のプラス成長を実現した国であり、これは日本の経済回復に積極的な役割を果たしている」と評価した。今後の日中協力について、丸山教授は、「今後も中国が改革を深め、開放を拡大するにつれて、両国の各分野における協力が一層深まり、より多くの成果が収められるだろう」との見解を示した。

 中国の改革開放政策は40年以上にわたって実施されてきた。中日両国はほぼすべての分野で協力関係を結んでおり、その成果は世界からも注目されている。しかし、政治や経済などにはまだ懸念が残る。丸山教授が言う両国協力の将来に向けて実現するまでの過程で、中日両国がより深いレベルで政治的相互信頼や互恵協力を深め、人的・文化交流を拡大することが望まれる。

 最後に「唐探3」の話に戻るが、監督は映画製作の趣旨について、「映画を通じて自由で平等な理想社会、本当の意味での人類の抱擁という感覚を期待する」と語った。さらに俳優の妻夫木聡さんは、「映画の中で中日を含めてアジア文化の融合を表現したい」と述べている。彼らの話を読み解けば、共通理念の下で真の相互理解と融合を実現させるための努力をすれば、協力は必ず成功するということだろう。中日の協力による「唐探3」の大成功が、映画館を飛び出して中日協力のすべての分野に伝わり、そこに関わる人々を励ますことになるだろう。(CRI日本語部論説員)

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