【観察眼・「十四五」特別企画】 (3)文化の力で時代のトレンドを導け!

2021-02-14 15:50  CRI

 2021年は中国にとって大きな意味を持つ年です。中国共産党の創立100年目――即ち「一つ目の『百年の奮闘目標』」(建党100年目までの“小康社会”の完成)の目標年に当たり、また「二つ目の『百年の奮闘目標』」(新中国成立100年目までの強く豊かで民主的・文明的な調和のとれた社会主義現代化国家の構築実現)においても、重要な前進の一年になります。

 そして、もう一つの注目は「国民経済と社会発展の第14次五カ年計画(2021-2025年)」の発足年となることです。第14次五カ年計画は今年の全国人民代表大会で審議・採択される見込みとなっています。

 これに際して、日本語部独自の評論コーナー『観察眼』では、第13 次五カ年計画(2016-2020年)期間の躍進を振り返り、この先の5年を展望するシリーズ「振り返れば歩んで来た道 新たな旅路は続く」を企画しました。

 中国の新年に当たる春節の時期に合わせて、ジャンル別に配信していきます。

評論シリーズ「振り返れば歩んで来た道 新たな旅路は続く」

3回 文化の力で時代のトレンドを導け!

 グローバル化の進む世界で、ソフトパワーはますます無視できない存在となっている。特に最も重要な指標の一つが、文化産業の発展だ。 第13次五カ年計画の期間(2016-2020年)を振り返ってみると、中国の文化産業は「黄金時代」を迎えたと言える。

 統計では、2018年の中国の文化産業の付加価値は4117.1億元で、2004年の11倍に当たる。また、文化産業の付加価値がGDPに占める割合は2004年に2.13%だったのが2018年には4.48%に増加し、経済発展の重要な支柱となっている。文化活動の中身は、従来の読書や音楽鑑賞に始まり、ドラマ・映画鑑賞、ネットサーフィン、ライブ配信、クラウドコミュニケーションまで、多様化し続けている。また、消費に目を向ければ、クリエイティビティにあふれたグッズの数々が異彩を放ち、絶大な人気を得ている。いずれも、文化産業の発展がもたらした成果だ。

 新たな息吹を吹き込まれた伝統文化

 中国は5000年もの歴史と奥深い伝統を持つ文明国だ。近年、そうした伝統文化のイメージチェンジが進んでいる。中央政府と地方自治体は伝統文化の発展のための特別資金を拠出し、その累積額は600億元以上となった。その影響の代表と言えるのが、「歴史的」で「古い建築」というイメージの故宮(紫禁城)博物院だ。その変わりようは多くの人々を驚かせた。

 日本でも放送された人気宮廷ドラマ『宮廷の諍い女(原題:後宮・甄嬛伝)』などを意識して博物院内に設置された新たな観光エリアや、オリジナルメニューを提供する「角楼カフェ」は、観光客がごった返す人気スポットになっている。また、オリジナルグッズも次々と発売し、人気のメイクアップアーティストとコラボした化粧品や、紫禁城の要素を取り入れた可愛い人形の入った「ブラインドボックス」などは、いずれも若者の間で大きな人気を呼んでいる。観光産業への刺激と、新たな経済効果につながる動きだ。昨年9月には年間の目玉となる展示会「丹宸永固:紫禁城の六百年」が開催されたが、全国から訪れた大勢の来場者の実に半数以上が若者だったという。

 記録的ヒットを飛ばし続ける中国映画

 第13次五カ年計画期間に、中国の映画産業は世界が目を見張るほどの成長を遂げた。『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー(原題:戦狼2)』や、『流転の地球/さまよえる地球(原題:流浪地球)』、『ナタ~魔童降臨~(原題:哪吒之魔童降世)』などの大作が次々と誕生し、中国国内市場の記録を相次いで塗り替え、さらには国際的な注目も集めた。この5年間、年間興行収入ランキングのトップの座はアメリカのスペクタクル映画に代わり国産映画が独占する形になった。年間ランキングトップ10のうち、国産映画の割合も増え続けている。2019年だけでも、年間興行収入は642億6600万元、総スクリーン数は6万9787枚に達し、2015年と比べるとそれぞれ45.8%、122%増加した。また、年間トップ10のうち8作品が国産で、アメリカ映画の独占時代に終止符を打った。世界経済がコロナ禍に見舞われた2020年にも、中国の映画産業は逆境での強さを見せつけた。国家映画局が発表したデータによると、中国での映画年間興行収入は2020年に204億1700万元に達し、北米を抜いて世界一の映画市場となった。2020年の中国映画市場の83.72%を国産映画が占め、その総興行収入は170億9300万元となった。年間トップ10作品は全て国産映画で、国産映画が年間興行収入トップ10を独占するのは史上初の快挙。年間1位の座を獲得したのは2020年8月に1年越しの一般公開が実現した管虎(グェン・フー)監督の最新作『八佰(The Eight Hundred)』で、同作は2020年の世界の映画興行収入ランキングでも1位となった。そして、今年の春節(旧正月)初日に中国の映画市場は興行収入17.4億元、観客動員数3450万人を突破し、1日での興行収入も観客動員数も新記録を樹立した。次々に新記録を達成中の中国映画は、社会的・経済的利益を生み出し、中国の文化的影響力を拡大させている。

 モバイル通信技術の充実化による新世代ネット文化

 モバイル通信技術の普及により、携帯端末を使った「インターネット・ポップ・カルチャー」が主流となり、大衆文化のトレンドをリードしている。日本由来の「二次元文化」のほか、「ライブ配信」から派生した「ライブコマース」の台頭、「クラウド文化」や「セルフマスコミ」の普及など、ネット文化は日々、人々のライフスタイルを変えている。

 スマートフォン向けの動画アプリ「Tik Tok」や「bilibili」は若者の「ネット生態」に影響を与え、インフルエンサーたちが生き残るための必要手段にもなっている。ネット配信限定のドラマ『瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜(原題:延禧攻略)』や『隠秘的角落(The Bad Kids)』、同じくネット配信されたバラエティ番組『乗風破浪的姐姐(Older Sisters Who Brave the Winds and Waves)』などは社会現象にまでなり、流行語も生まれた。アメリカドラマや韓流ドラマが下火になるほどの中国ドラマブームを、ネット社会が牽引したことになる。

 中国インターネット情報センターによると、2020年6月現在、中国ではインターネット動画の視聴者数は8億8800万人に達し、インターネット利用者全体の94.5%を占めている。ストリーミング視聴はテレビに取って代わる主要な視聴手段になっている。

 コロナ禍の中、ライブコマースや、クラウド技術を生かした「クラウドパフォーマンス」「クラウドミュージアム」「クラウド放送」「クラウドツーリズム」「クラウドフォーラム」などが新たな消費形態となり、景気回復を後押ししている。同時に、「クラウド紫禁城」や「クラウド敦煌」などのプロジェクトが新技術との融合により、伝統文化産業の普及を活性化している。

 第13次五カ年計画を振り返ってみると、文化産業の「黄金時代」は中国人の文化的自信を高めてくれた。第14次五カ年計画を迎えるにあたり、文化産業の柱としての役割が揺らぐことはないだろう。専門家は、第14次五カ年計画期間中に文化産業はGDPの5%以上を占めるようになり、第13次期間と比べ、文化製品の輸出入は2倍になると予測している。文化産業のさらなる発展は、国民の精神面の充実化と団結力の強化につながっていく。 また、「伝統文化」と「ポップカルチャー」をバランスよく推進することで、中国文化の世界における影響力はますます広がっていくことだろう。(CRI日本語部論説員)

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