北京
PM2.577
23/19
ご案内:王小燕&斉鵬
あっという間に2021年も2月の幕開けです。日本では新型コロナウイルスの新規感染者数が順調に減ってきたようで、何よりです。こちら中国では来週後半の2月11日から旧正月・春節の7連休が始まります。例年だと、延べ30億人規模の「民族の大移動」と呼ばれるほどの帰省ラッシュが起こりますが、今年は新型コロナ感染拡大を防ぐため、「故郷に戻らないで現地で春節を過ごそう」と呼びかけられています。その呼びかけもあり、北京の街角で実感したことは、例年に比べ、大きな荷物を引っ張りながら町を歩く人の姿が余り見かけません。その代わり、各大都市では、故郷に戻らずに現地に留まっていても、安心して楽しく春節を過ごしてもらえる工夫を行っています。
年越しムードが近づいてきた今日の北京から以下のメニューでご案内します。
▼中国製ワクチンに関する動き
▼日本から帰国の中国人女性の隔離リポート
勤務地の日本から中国に戻り、現在は福州のホテルで隔離生活を送っている孫毅氷さん
2021年1月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(85歳)
西安にはわりとよく行きました。1998年6月は、あと5日でクリントン大統領が来るというので、兵馬俑坑に降りる特設階段を作っているところでした。羊肉夾饃が旨かったなぁなど思いながらハンコを彫ったのが間違いで、邪念が入り、出来はイマイチでしたね。
前苦寒行
唐 杜甫
漢時長安雪一丈 牛馬毛寒縮如蝟
楚江巫峡氷入懷 虎豹哀号又堪記
秦城老翁荊揚客 慣習炎蒸歳絺綌
玄冥祝融気或交 手持白羽未敢釈
漢時長安雪一丈 牛馬毛寒くして縮んで蝟(い)の如し
楚江巫峡氷懐に入り 虎豹哀しく号(さけ)んで又た記するに堪えたり
秦城の老翁荊揚の客 炎蒸に慣れ習いて歳(とし)も絺綌(ちげき)
玄冥祝融気或いは交わり 手ずから白羽を持って未まだ敢て釈(と)かず
詩の内容は、「漢の時代、長安では雪が一丈も積もり、牛馬の毛さえも、寒さのためにハリネズミのように縮みあがったという。ここ楚江の巫峡でも、雪が降って寒気が肌をさし、虎や豹が哀しげに吼えるさまは、忘れられないほどである。秦城の老翁のこの私ときたら、荊揚の地に来てからというもの、蒸し暑さにすっかり慣らされ、歳末にも夏服のままだ。冬の神の玄冥が、夏の神の祝融と交じり合って、手に白い羽根扇を持ったままで放さないのだ。」と言ったところです。
西安の寒さは知りませんが、北京の冬は何度か経験しています。
中でも寒かったのは1994年2月でした。古いリスナーの皆さんにはお馴染みの北京放送お便り担当の李健一さんと、慕田峪長城に行く約束をした前夜に、雪の少ない北京に雪が降りました。少ない機会なので約束通り早朝に出発しましたが、ロープウエーは凍てついて運休です。長い長い階段を上りました。危険防止のため、冬期は立入り禁止になっている区域に入って監視員に注意されたりしながら、長城行を楽しみました。
この日、二人は子供のころ大阪の豊中市に住んでいたことが分かりました。李さんは第二中学校、ぼくは第一中学校で、すぐ近くだったのです。世間は狭いですね。
写真は、ガスのかかった雪の長城です。李さんが手を振っているところが見えるでしょうか。
北京の朝(2月2日 平文智撮影)
<お便りありがとう!>
★宮崎県のD.D(ラジオネーム)さん
習主席のダボス会議スピーチについて、きっと日本をはじめ西側の指導者も習主席の主張に賛同すると思いますね。
超ベテランリスナーさん達の句の紹介も楽しく聴いていました。年齢を感じさせないシャープな投稿が凄いですね。紹介の小燕さんの日本語力にも頭が下がります。"富士山"の句は小燕さんの解釈通り両方の意味が感じられますよね。また100歳の神宮寺さんは通年は北京にも渡航されていたお元気さは、若い年代の私達も見習いたいですね。中国経済の堅調な伸びも興味深かったです。やはりライブコマース、Eコマース、ネットショッピング、非接触型消費の伸びが大きいですね。
★名古屋・ゲンさん
2月に101歳になられる、神宮司さんの一行詩には心打たれました。そして、日本人リスナーから寄せられた俳句や短歌や詩を紹介しながら、あれこれ一生懸命、詠み手の心を感じ取ろうとしている、王小燕さんの存在を尊く思います。タゴールは「痛みがあるから私は歌の意味が理解できる」と、書いているそうですね。番組のパーソナリティーの心の痛みが、日本人の痛みと交流しているように感じました。
人を感動させた最も短い言葉として語り継がれている句があります。伝説の横綱、双葉山(ふたばやま)が69連勝中に、作家の吉川英治に「何か書いて下さい」と頼んだら「江戸中で ひとり淋しき 勝角力(かちずもう)」と書きました。双葉山は、吉川英治の言葉を見つめたまま、大粒の涙を流したそうです。マスコミも観衆も双葉山の連勝を讃えるばかり。その中で、一人、吉川英治だけが双葉山の孤独、淋しい気持ち、計り知れないプレッシャーを理解していたのですね。圧倒的な優しさ、温かさに、私は言葉を失います。
斎鵬さんの経済関係レポートは、数字に弱い私は頭の上を通り越していきがちですが、GDPが一旦は下がったけれど、今は右肩上がりであること、出稼ぎ労働者の数が2億8560万人で、賃金は上がっている事、高速鉄道の距離が世界トップであることなどは、ちゃんと脳内停車しました。それにしても11月の国際輸入博覧会が、世界中がコロナの心配ない中で成功することを祈るばかりです。
★北海道石狩市の上田知晴さん
習主席がおっしゃるように新型コロナウィルスのワクチンは公共財であり、人類共通の共有財産でなければなりませんよね。ワクチンの開発者もまさかこれで、一人でボロ儲けしようと思って開発した訳ではないでしょうし、又、そうであってはならないと思っています。公共財を皆で共有して、弱い方からそれを活用して、弱い順に強くなっていく。そして、やがては人類みんなが強くなって新型コロナウィルス感染症を完全に過去のものにしてしまうまで抑え込んでしまう。その世界的旗振り役こそが私達、アジアの世紀を迎えた中日両国なのかも知れません。これからも互いに頑張りましょう。
★東京都大田区の三輪徳尋さん
中国における2020年の国内総生産が100兆元を超えて、前年より2.3%の伸びを示したことは、コロナウイルスが世界中に蔓延し、その対策で疲弊しきって第二次世界大戦以来の不況に喘ぐ世界経済のなかで、世界唯一、プラス成長を実現した主要経済体となったことは、驚愕に値する事実であると思います。
コロナウイルスへの対策において、しっかりとしたビジョンで断固たる措置を迅速に実行した結果がこうした経済成長の数値として表れたものと思います。
世界経済は、一部の国々の影響で、より複雑で厳しい状況になっている中で、中国が安定的に世界経済を牽引する役割を担っていること、地域包括的経済パートナーシップ協定の締結など、全面的に開放を拡大するという決意が確かなことを世界中の投資家が認め、大きなチャンスを得ようとする気持ちが、中国との新たな戦略的なビジネスを増やしたものと思います。
国家間でも、企業間でも、個人間であっても、何事にも偏見を持たず、正しい眼を持ち、正しい行動を取り、互恵とウィンウィンを意識して、私利私欲にはしらず、共同発展を目指すことこそが繁栄するための王道なのだろうと思いました。
★高知県四万十市の杉村和男さん
先週放送を聴いたかと思うと、早や1週間が経ちました。もう2月ですね。
名古屋のゲンさま、妻の雪だるまにコメントを寄せていただいて、ありがとうございました。妻も大変喜んでいます。次の積雪を待って、妻には、更に雪だるま作りに励むよう伝えておきたいと思います。北海道石狩市の上田知晴さま、私の下手な俳句に素敵な漢俳まで添えて感想をお寄せいただき、ありがとうございました。
雪が簡単に溶けない北海道を逆に、羨ましく思いますね。四万十市では、ひとたび雪が積もれば、晴れ程度では溶けないまでも、数日後、雨が降れば、あっさり無くなってしまいます。ちょうど花が散って無くなってしまう時の、寂しい心境に似ています。
菜の花にしても、桜にしても、北海道より早く咲いて、早く散ってしまいます。言い換えれば、楽しみが早く終わってしまうことになります。楽しみは遅くなった方が、待っている間のワクワクする気持ちが長く味わえて良いと思うのです。
久保孝雄さんの和歌「日本の反中世論 何故ならん アメリカ眼鏡 今もはずせず」について、昔から「歴史は勝者の側で作られる」と言われています。1945年、先の大戦で、ポツダム宣言では、日本は四か国に対して受諾したとされているものの、現実的にはアメリカによる2個の原爆投下により、無条件降伏に至っています。つまり、アメリカの攻撃によって、日本は敗戦を決意した訳で、このことから勝者はアメリカ、敗者は日本となって、以後、日本はアメリカの歴史に沿って作られているように思います。そういう背景が有るのではないでしょうか。どこの国とも絶対に戦争をしない、その信念だけは貫いていきたいですね。
四万十市森沢川の雪景色(1月11日 杉村和男撮影)
写真は、先月11日に撮影した森沢川の雪景色です。この渓流沿いの道を散策するのが、日課のようになっています。かつては亡くなった父と、ここを自転車で走った思い出の道です。今では、妻との想い出の散歩道になりました。
亡き父と 訪ねた山路 雪踏みしめ
冬の日に 辿った山路 今は妻
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