北京
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アクション映画「葉問(イップ・マン)」のカンフー対決も「七剣(セブンソード)」の侠客たちが正義を正すシーンも、多くの観客を熱くさせました。映画のサウンドトラックは中華文化の美しさを十分に現していますが、この中国伝統文化の息吹が漂う音楽が、日本のミュージシャンによって作られたとは驚きではないでしょうか。今回の中国メロディーは引き続き、中国の映画音楽の舞台で活躍する日本人ミュージシャンの優れた映画音楽作品を紹介していきます。
サントラ界の大御所―川井憲次
日本のミュージシャン川井憲次は1986年のデビュー以来、アニメ、ドラマ、映画、ゲームなど幅広い分野で数多くの作品を生み出してきた日本のサウンドトラック界の重鎮です。また、中国映画の中にも川井憲次の作品がたくさんあります。彼が作った「七剣(セブンソード)」、「葉問(イップ・マン)」などの映画サウンドトラックは多くの中国の観客に親しまれています。
音楽職人を自称する川井憲次は、映画やテレビの中で音楽は二次的で、重要なのは音楽が映画の画面に適しているかどうかだと考えています。現在の川井憲次が「サントラ界の大御所」と呼ばれているのは、彼の作品がシーンと感情の起伏によく合っているからかもしれません。それを十分に体現しているのが彼の中国映画デビュー作となる「七剣(セブンソード)」のサウンドトラックです。
川井憲次の中国デビュー作「セブンソード」
「七剣(セブンソード)」は17世紀、清朝の支配者と反抗勢力が激しい闘争を繰り広げる物語です。この映画のエンディング「七剣戦歌(戦いの歌)」では、川井憲次が得意とするドラムと弦楽器で7つの戦いを6分間の音楽で彩りました。楽曲はゆったりとしたメリハリがあり、戦闘シーンをくっきりと表現しています。映画のサウンドトラックとストーリーがぴったり合っていると同時に雄大な勢いがあります。本当に素晴らしくておすすめの曲です!
川井憲次の代表作「イップ・マン」
映画「葉問(イップ・マン)」は2008年の正月映画で、映画の中の激しい殺陣や、ジェーン・ダンの優れた演技、川井憲次の壮大なサウンドトラックが共にこの年の最高のカンフー映画を作り上げました。
映画は20世紀、広州仏山の武術名家である葉問が中華武術を発揚し、外国の侵略者に抵抗する物語です。映画のサウンドトラックは壮大で人を奮い立たせます!このようなサウンドトラック作品は映画においても音楽そのものにおいても成功していると言えます。
特にサウンドトラック「一代宗師」には西洋音楽の壮大な勢いがあり、また東洋の英雄の孤独を際立たせています。この曲を初めて聞いた時、とても驚きました。川井憲次は日本人でありながら二胡の音色を中国のミュージシャンよりもさらに巧みに使い、悲しく詩的な東洋の境地を描き出しています。本当に不思議です!
S.E.N.S. の代表作「悲情都市」
S.E.N.S.は日本の男女2人組インストゥルメンタルユニットです。1989年、S.E.N.S.は中国台湾の侯孝賢監督がベネチア映画祭で金獅子賞を受賞した映画「悲情都市」でオリジナルサウンドトラックを創作し、演奏しました。
映画音楽は叙事詩のように林の家族の隆盛と哀敗、主人公の運命の不屈さを訴え、一つの家族の悲劇を通して大きな時代の中で移り変わる台湾の「悲情」を描きました。オリジナルサウンドトラックの7曲は、ピアノや二胡、笛などの伝統楽器で簡単なメロディーを奏で、主人公の運命に直面するやむを得ない状況を表現しています。