北京
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新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が始まってからというもの、世界中の人々はワクチンに大きな期待をかけてきた。中国の製薬会社は各国に注目されながら、一刻を争う研究開発を進めてきた。中国で研究開発されたワクチンの安全性と有効性はすでに実証され、多くの国・地域で中国製ワクチンの登録と発売または緊急使用が承認され始めている。エジプトでは中国製ワクチンの使用が正式に承認され、アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンは世界保健機関(WHO)の基準に基づいて中国製ワクチンの登録と販売を承認した。他にも、ブラジル、タイ、ウクライナなど複数の国と地域が、中国が研究開発した新型コロナワクチンを発注する決定をしている。
現地時間16日午前、中国医薬集団(シノファーム)が生産した初の新型コロナワクチン100万接種分がセルビアに到着した。セルビアのブチッチ大統領はこれを空港で出迎え、「私は中国の新型コロナワクチンを信じている」と述べ、自身も接種を受けると発表した。
コロナ禍の終わりが見えない今、ワクチンの存在は大きな希望だ。ますます多くの国が中国に目を向け、中国製ワクチンに“信任票”を入れ始めている。その信頼の重みは、各国のリーダーたちを見れば分かる。セーシェルのラムカラワン大統領、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領、トルコのエルドアン大統領は率先して中国製の新型コロナワクチンを接種しており、世界に向けてその安全性を身を以て示した。
一方で、西側諸国の一部の政治家たちは、国内で感染が広がり国民が苦しんでいようとも、それを救うことよりも「中国のワクチンは安全でない」という偽りの情報を収集・拡散することに躍起になっていた。その思惑は外れ、他の多くの国々が中国製ワクチンの使用を承認するわけだが、すると今度は「中国は『ワクチン外交』をしている」と非難を始める。中国を快く思わない国は、国民と科学を蔑ろにして政争を優先しているのだ。命を救うワクチンを開発した中国に対し、国民の命を賭けてまで矛先を向け続ける自らの行動の異常さに、彼らはいつ気づくのだろうか。
イソップ童話に「酸っぱいブドウ」という話がある。主人公のキツネが手の届かないところにあるブドウを諦めるときに「どうせあのブドウは酸っぱいに決まってる」と、その価値を貶める言葉をつぶやくというものだ。人類は本来一つの運命共同体である。そしてウイルスはイデオロギーを語らず、その感染拡大に国境は関係ない。今、我々が直面しているのは全人類の危機であり、「酸っぱいブドウ」の心理で矮小な尊厳を保とうとすべきような状況ではないのだ。科学的な判断をし、ワクチンを受け入れ、国民の安全を守り、打倒・新型コロナウイルスのために協力する、それが正しい選択であることは一目瞭然であろう。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は、一部の国が「ワクチン・ナショナリズム」に走っていることに警鐘を鳴らした。ワクチンを利用して私腹を肥やす行為は国際社会の批判の的だ。しかし中国は当初から、自らが研究開発する新型コロナワクチンを世界の公共製品としていくことを約束していた。新型コロナウイルスワクチンの公平な供給を目的とした国際的な枠組み「COVAX」にも参加するなど、世界の人々に希望を届け続け、広く称賛を得てきた。
新型コロナウイルスとの戦いにおいて、中国は「人民至上、生命至上」の理念を守り続けている。それは、自国民の健康に対してだけでなく、世界の公衆衛生事業に対しての職責も果たしていくということだ。しかし、西側の一部の政治家はいかに中国のイメージを損ない、政治的な利益をだまし取るか、そればかりを考えているようだ。
「2021年を癒しの年にしよう」と、国連のグテーレス事務総長は新年のあいさつで人類への願いを語った。その実現のために世界がとるべき行動は、人類の団結と、感染症との積極的な戦いの継続、そしてワクチンの有効利用である。こうした世界の動向、中国の理念と行動、そして「酸っぱいブドウ」に振り回される西側の一部の様子を見ていれば、中国製ワクチンが人気を集めるのは当然であることが分かってくる。(CRI日本語部論説員)