【CRI時評】利益集団は米国政治の衰退促進剤だ

2021-01-16 16:17  CRI

 米トランプ大統領は共和党の大統領選候補者だった4年前、「ワシントンの泥沼を一掃する」と大言壮語していた。瞬く間に4年間が過ぎた現在、人々が目にしているものは何か。ワシントンの政治は公明正大どころか、ますます汚濁を極めている。中でも、利益集団と政治集団の密接な結託、ロビー政治、金権政治が引き起こした「合理的腐敗」は、米国政治の衰退促進剤になった。

 米国の献金についてのデータバンクであるオープン・シークレットによれば、2000年から2019年にかけての全米でのロビイスト登録は年平均で1万件以上だった。2000年には15億6000万ドルだったロビー活動に対する支払いは、2019年には35億1000万ドルと、驚くべき増加を示した。ロビー政治は、力を持つ少数の集団の利益が、多数の弱小な民衆の利益よりも優先される結果を導く。一部の中流階層以下の民衆はロビー活動のパイプを持たないために辺縁に押しやられ、政府はその利益と主張を重視しなくなる。

 選挙運動において資金集めをするスーパーPACの存在のために、米国の利益集団はさらにはばかることなく資金を募集して分配し、さまざまな選挙の結果に影響を与えている。オープン・シークレットのまとめによれば、2020年時点で全米にはスーパーPACが2276団体存在し、総額約31億6000万ドルを調達した。

 米国現政権の経済チームとウォール街の金融グループには、緊密な関係がある。スティーブン・ムニューシン財務長官はゴールドマン・サックスやソロス・ファンド・マネジメントに貢献した経歴があり、経済担当大統領補佐官を務めたゲイリー・コーン氏はゴールドマン・サックスの社長兼共同最高執行責任者(COO)に就任した経歴がある。この二人は米国現政権における「ゴールドマン・サックス派」だ。米国現政権が任命した軍関連のスタッフにも、軍需産業との「転職」関係がある。

 過去4年間にわたり、ホワイトハウスの主人はビジネスマンだったことを利用し、自らの不動産を用いて蓄財するからくりを用いることで、政治と利益を転がすことを巧妙に実現した。米国の政治が金銭によりむしばまれている状況がすでに、根深い制度上の腐敗になっていることが見て取れる。誰が大統領を務めようとも、米国の金権政治の本質を改変する特効薬の役割を果たすことはできない。(CRI論説員)

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