中華圏映画音楽特集　第8弾

　香港の作曲家陳光栄は、香港ポップミュージック界の重要な存在であり、その作品は香港金像賞のオリジナル音楽賞を三回受賞したことがあります。陳光栄は男の心に精通したミュージシャンとして知られています。アクション映画の速いテンポの音楽はもちろん、義理や愛を表現する深い愛情の音楽も男の胸のうちを十分に感じさせてくれます。今回の中国メロディーは陳光栄の映画音楽作品をお楽しみください。

頭文字D（イニシャルD）

　「頭文字D（イニシャルD）」は2005年の香港映画。超人気漫画「頭文字D（イニシャルD）」を元にアレンジした映画作品で、峠道での公道レースに青春を捧げる若者を描いています。2005年にアジア各地で公開され、各地で初週の興行収入1位を獲得しました。ジェイ・チョウを始めとするアジア各国の俳優の優れた演技の外に、音楽も見逃せない映画です。そのスピード感あふれる音楽にはエンジン音や走行音も収録され。臨場感たっぷりです。

Intro AE 86

　映画のオープニング「Intro AE 86（イントロAE86）」のダイナミックなサウンドトラックは、このカーレースを題材にした映画をさらに盛り上げてくれます。多くの若者はこのダイナミックなリズムに魅了されました。深夜残業を終えて帰宅途中の高速道路でこの曲を聞くと、主人公・藤原拓海の走らせる車を運転している気分になって、爽快なのかもしれませんね。

First Date

　映画「イニシャルD」には、情熱と躍動感に満ちた音楽もあれば、ロマンチックな音楽もあります。主人公・拓海とヒロイン・夏樹は幼なじみで、互いに好き同士なのに、どちらからも自ら告白しようとしません。「First Date（幼なじみ）」は少年少女の間の純真な初恋をうまく表現しているので、自分の初恋を思い出した人も多いかもしれません。

インファナル・アフェア（無間道）

　「インファナル・アフェア（無間道）」は、2002年の香港映画で、香港ノワールの代表的作品です。潜入捜査官としてマフィアに入り込むヤンと、そのマフィアから警察に潜入するラウの物語です。警官として苦悩するヤンと、組織を裏切り善人になろうとするラウが対照的に描かれています。

さよなら警察

　映画の挿入歌「さよなら警察」は、聖歌のような神聖があり、トニー・レオン扮する潜入警察ヤンが最終的に犠牲になる時に流れるBGMです。音楽とヤンの運命が絡み合っていて、人に妙な悲しみを感じさせます。

　曲の冒頭は女性が軽く口ずさみ、歌詞はありませんが、ヨーロッパの聖歌をアレンジしたもので、聖なる宗教的な雰囲気があり、まるで教会の中に誘われたかのようです。その哀しいメロディーはとても感動的で、涙を誘います。

スパイがいて、行働はキャンセル

　映画「インファナル・アフェア（無間道）」の中の登場人物の性格はみな生き生きとしていて、俳優の演技もとてもすばらしいです。特に話の起伏に合わせた映画のサウンドトラックは印象深いです。

　例えば「スパイがいて、行働はキャンセル（有内鬼，行动取消）」というサウンドトラックのスリリングなメロディーは、映画の画面を見なくても、刺激的で、危険にさらされている人物の緊張感が感じられ、危険な状況から抜け出すために必死に戦う情景を感じることができます。