中華圏映画音楽特集 第2弾

2020-11-30 21:46  CRI

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 映画音楽は映画の魅力を感じさせると同時に、自分だけの魂を持っていて、音楽そのものの精神も伝えてくれます。著名な映画音楽作曲家の趙季平は中国映画のために多くの優れた音楽作品を作りました。その中に映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のために作った音楽は中国映画史上、超えられない名作と讃えられています。今回の中国メロディーはそんな趙季平が作った映画音楽作品をご紹介しましょう。

 趙季平は1945年、甘粛省で生まれました。父の趙望雲は斉白石、徐悲鴻などと並ぶ中国画の巨匠で、趙季平は幼いころから父に習って絵を描き、父の影響を受けて、京劇や陝西省と河南省の地方劇が好きでした。20世紀80年代から90年代にかけて、趙季平は音楽創作の黄金期を迎え、多くの優れた映画音楽を作りました。

满天神佛闹悟空(神と仏、孫悟空を騒いで)

 1995年、趙季平はチャウ・シンチー(周星馳)が主役を務めた映画「大话西游(チャイニーズ・オデッセイ)」のために作品を創作しました。「大话西游(チャイニーズ・オデッセイ)」は中国の古典小説『西遊記』をベースにして、孫悟空の時空を越えた恋愛と冒険を描いたアドベンチャー作品です。

 趙季平はこの作品の中で二胡や簫(しょう)などの音色を使い、中国伝統音楽の趣を醸し出しました。例えば、挿入曲「满天神佛闹悟空(神と仏、孫悟空を騒いで」の緊張感に満ちたメロディーは苛立たしい気持ちを表し、力強い太鼓の音は孫悟空を促すようなスピード感があります。断続的なシンバルの音は孫悟空が人間と神、恋とやるべきことの狭間で両立しがたいもがきの心理状态を描写しています。

酒神歌(酒神の歌)

 红高粱『紅いコーリャン』は趙季平とチャンイーモウ監督が初コラボした映画で、中国の田舎まちで運命に翻弄される人々を鮮明な色彩を用いて描いています。この作品は1988年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞しました。

 この映画の挿入曲で、趙季平はチャルメラや笙、太鼓など中国の伝統楽器を用い、高らかな雄叫びを象徴し、西北地方の黄土高原に暮らす人々の陽気で、ワイルドな性格を表しました。特に、挿入歌「酒神歌(酒神の歌)」ではその粗野な旋律の中にまるで酒の香りが混じっているようで、地元の人々の奔放でさっぱりした性格を表現しています。

「さらば、わが愛/覇王別姫」のエンディング

 映画『さらば、わが愛/覇王別姫』は日中戦争や文化大革命などを背景として、時代に翻弄される京劇役者二人の目を通して近代中国の50年を描いています。この作品は中国映画史上、画期的な意味のある作品と讃えられています。映画は恋の静かな美しさと重さ、政治が人間性に与える抑圧や人間性の善と悪、醜さと美を語っています。1993年第46回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。

 『さらば、わが愛』で趙季平は京劇音楽で映画のストーリーを表現しました。レスリーチャン演じる蝶衣であれ、小楼であれ、京劇を歌うシーンがたくさんあり、京劇音楽はキャラクターの運命を表現する主要な旋律となっています。

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10月29日放送分
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