北京
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1980年代90年代、香港映画は最盛期を迎え、香港という小さなところに数えきれないほどの名作が生まれました。これらの名作映画の音楽はいつも私たちを当時に連れ戻してくれます。どの映画の音楽もそれぞれの人生を表したり、違った趣を放ち、何度聞いても飽きません。今回の中国メロディーは映画の舞台裏の見えない映画人を覗いてみましょう。今日の主人公は「時代の音符」ともいえる香港映画音楽の大家・胡偉立の音楽作品をご紹介しましょう。
胡偉立
1930年代に生まれた胡偉立は50歳の時に中国大陸で音楽教育事業を離れ、香港で映画音楽の創作を始めました。その後、彼は香港映画のために多くの素晴らしい音楽作品を作ってきました。彼の作品は現代音楽と伝統音楽を融合し、時には人を深く感動させ、時にはユーモラスにストーリーと調和します。特に「偷功」という曲は多くの人々の心に残る名曲となり、幾つかのアクション映画に採用されました。
偷功(功労を盗む)
「偷功(功労を盗む)」は香港映画「マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限」の音楽で、映画は太極拳の創始者と言われている張三豊を主人公にしたアクションものです。中国音楽大学で長年教鞭を取ってきた胡偉立は中国の伝統楽器に精通しているため、曲の中で伝統的な打楽器を使って、太極拳の立ち回りを生き生きと描き出しています。時には軽やかで、時には壮大で雄渾な旋律のメロディーは中国カンフーの奥深さを含んでいます。
特に、二胡は中国風の琵琶と太鼓の力あふれる伴奏の中で逞しい趣を添えており、武侠世界の殺気みなぎるさまを表現しました。この曲は多くのアクション映画の中でよく使われています。
市集(市場)
「市場」はジャッキー・チェン主演のアクション映画「ドランクモンキー(醉拳)」の続編の映画音楽です。列強進出が著しい清朝末期の広東。ジャッキー・チェンが演じる主人公は中国の国宝を国外へ持ち出そうとする英国の陰謀を阻止しようとし、イギリス領事館とさまざまな戦いを繰り広げました。
「市場」という曲では胡偉立が中国の伝統的な弦楽器と管楽器でアクション世界の壮大さと恋の世界の優しさを表しました。豪快なテーマ音楽と違って、この広東音楽の軽快なメロディーは主人公が市場で野菜を買うシーンを描きました。二胡と笛の音色は中国の市場のにぎやかな光景を描き出しています。
傲氣傲笑萬重浪(豪快な笑い声で波乱万丈の人生を)
「傲氣傲笑萬重浪(豪快な笑い声で波乱万丈の人生を)」は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズの挿入曲です。映画は清朝末期に活躍した武術家である黄飛鴻(ウォン・フェイホン)を主人公にしたアクション映画です。映画音楽は中国の伝統音楽と西洋楽器とをうまく融合し、第29回台湾映画金馬賞最優秀音楽賞を受賞しました。
映画は1997年に上映されてから、中国全土で大ヒットしました。その映画音楽も深い感銘を与えてくれます。特にチャルメラの高らかな音色を聴くと、今でも胸を熱くしてくれて、ジェット・リー演じる武術家の正義感の強い高潔なイメージが思い浮かびます。